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2021年4月23日金曜日

ポケカ杉森建イラスト収集

ポケモンのデザインが話題にあがる際、引用されるのは基本"公式イラスト"だ。ポケモンキャラクターは様々なメディア、クリエイターによって多様に描かれるが、その原作・デザインの基準にあたる。

"公式イラスト"が描かれた時期は、新旧10年以上開きがあり、絵柄の変化、絵の更新、描き手が交代したものも含まれる。デザインそのものの単純比較が難しいことはこれまでの記事で纏めてきた通りだ。

ポケモンらしさ-2_意見分析 マスコット感検証

ポケモンらしさ-9_BWとデザイナー

その"公式イラスト"をこれまで多く手掛けてきた杉森建氏は、書籍「ポケモンカードゲーム イラストコレクション」(2014)で"公式イラスト"について語っている。

-ポケモンの公式イラストとポケモンカードゲームのイラストの特徴や作画時のポイントを教えてください

 公式イラストは、ポケモンを紹介する役割があります。このポケモンはこういうすがたをしていて、こういう行動をするとか、そのポケモンの個性を1枚のイラストで全部見せないといけません。そのため、平均的な構図やポーズになってしまいがちです。 

 かたやポケモンカードゲームは、場面を切り取ったような絵なので、攻めたイラストを描けます。カメラがすごく寄ってもいいし、アングルも自由です。迫力さえ出れば、ポケモンの体をすべて描かなくてもOKになります。特別なワザを出しているところなど、ポケモンのさまざまな面を描けます。そこが面白さですよね。/ポケモンカードゲーム イラストコレクション(2014)

ポケモンカードイラストはいわゆる"派生"だが、今回は"本家"でもある杉森氏によるカード描き下ろしイラストに注目してみよう。

カードゲーム自体はこどもと軽く遊ぶ程度の熱心なプレイヤーではなく、イラスト愛好家な視点になる。さほど詳しいわけではないので間違った言及があれば指摘頂ければ幸い。


2020年9月18日金曜日

ポケモンらしさ-9_BWとデザイナー

2010年9月18日は「ポケットモンスターブラック・ホワイト(以下BW)」の発売日。
ちょうど10年たった今、登場ポケモンのデザインについて触れたい。


今年2月に非公式に「ポケモンらしさ」アンケートを行い、回答者の年代やプレイ経験差から生まれるポケモンのデザイン』に対する主観の違いを分析してきた。
BWはデザインの転換期であるとの声も多く寄せられた。


究極のポケットモンスターを目指した「ダイヤモンド・パール(以下DP)」までは新規や既存のキャラクターの進化系列など、バリエーションを継ぎ足しながら世界観を豊かに、プレイヤーを飽きさせないように工夫が為されてきた。(DPのデザインについては別の形で触れる)


新種が追加される区切りで言うと"第5世代"にあたるBWでは、それまでの既存キャラクターを一時封印し、ゲームクリアまでは完全新種のみが登場する。

その数151種
初代赤・緑のキャラクターと同じ数だ。
クリア後に出会える追加要素や、劇場版アニメとの連動で得られる総数は156種となる。


既存のキャラクターに頼らず、しかしポケモンと出会い捕まえて育てる楽しさは変わらないように、デザインの「多様性」「バリエーション」は維持したい。恐らくそう考えての、初代キャラクター総数の踏襲だろう。

その内訳についても、強引ながら赤緑のバリエーションと比較した。
手探りの中151の多様性を開拓した初代と、その完成済みの151の多様性を14年の時を経てリブートしたBWの違いが一覧できる。

赤・緑151とブラック・ホワイト156のデザインのバリエーション比較図

5世代に渡って踏襲され続けてきた「御三家」「準伝説」「序盤〜」という枠は共通だ。

動物っぽいデザインや、無機物をモチーフにした種類、人型まで多少の増減はありつつ、ばらつき具合はかなり初代を踏襲した形跡が見られると言えるのではないだろうか。

この図ではうまく初代→BWのオマージュ対比がはまりきってはいない。初代自体が凸凹で今考えると歪なタイプバランスをしていたり、第2世代以降に定着した"枠"もある。そうしたズレも「変化」したポイントだろう。

BWは、初代からの継ぎ足しではない、総入れ替えだったことで「変化」が顕著に可視化されたタイミングだったのだろう。


2020年7月10日金曜日

ポケモンらしさ7_"デジモン"に関する意見


2020年の2月に行ったポケモンらしさアンケート 。23,000件の回答のうち、自由記述の意見投稿を6,841件頂いている。
今回は頻出単語としての「デジモン」に焦点をあてる。

ProfessorOK氏の、デジモン/ポケモンの画像の深層学習による分析レポート「最近のポケモンはデジモンっぽいのか、ディープラーニングに聞いてみた」の、参照元として デジモンに関連する投稿意見全てをまとめる。 


「デジモン」の単語が含まれる意見は155件。意見投稿の1.8%、全回答の0.5%だ。 
内容を精査すると、125件がポケモンのデザインに「デジモンっぽさ」を感じたことがあるという意見だった。

2020年6月2日火曜日

ポケモンらしさ-6_実写化とリアリティ

名探偵ピカチュウ』が先日、2020/05/22の金曜ロードショーでTV放送され、この作品に関するアンケートを行った。実写表現に関する設問は、2月の「らしさアンケート」で、聞きそびれて後悔していた項目だった。
 

アニメやマンガの実写化が反感を買いやすい風潮がある中、比較的評判が良く、珍しいケースといえる。

これまでデフォルメイラスト・アニメ調なデザインで慣れ親しんだポケモンに、公式作品としてリアルな質感を与える試みが、一定の成功を収めた今、改めて元々の「ポケモンデザイン」を見直すいい機会ではないだろうか。


*2020 6/2 21:50 リアリティに関する得票数の記載漏れとグラフを修正。
その他誤字脱字修正。

2020年5月20日水曜日

ポケモンらしさ-5_ヒトガタ増えた?

前回は、初代・赤緑の誕生から、ルビー・サファイアまでのデザインと制作環境の変化を確認した。

次の世代に話を進める前に「人型ポケモン」の定義をはっきりとさせておきたい。最新作で人型パターンがどの程度増加したのかカウントするためだ。

人型も様々 元ネタはこちら

四足動物モチーフが二足の「人型」に進化することと、初代からゴーリキーやルージュラのような「人型」がいることは、話している内容が全く違う

後者は 初代開発におけるバリエーションのひとつで、「亜人型ポケモン」と仮称、前者を RS開発で意識されたというバリエーションのひとつで「擬人化ポケモン」と仮称する。

"亜人"という言葉には広義にギリシャ神話などに登場する"獣人"も含まれるが、ここでは、人間文化側からデザインされたタイプと、動物をアレンジしたタイプを呼び分ける意図で用いる。

--人型デザインの定義を決める理由
--擬人化レベル
--擬人化・ケモノジャンル
--タマゴグループ「ひとがた」
--「形」分類
--定義した人型ポケモンを一覧
--人型デザイン調査のまとめ
下部に追加アンケート有り

2020年5月5日火曜日

ポケモンらしさ-4_デザイン史・赤緑〜RS


ポケモンらしさ」検証のため1996年に時渡りして公式資料を集めた。

前回は、ポケモンのデザインが生まれる会社ゲームフリークがどのように最初の151を生み出したか「赤・緑」発売以前までをまとめた。
次に、現在とは異なるビジュアルがどう変化していったか、プレイヤーにとって影響の大きな表現や環境の"段差"を確認する。


「ポケモンらしさ」比較に使用される画像が後年描かれたものであることは、アンケートの意見分析の際に触れたとおりだ。

まずはゲームフリーク杉森 建氏によるアナログの水彩塗り公式アートから、同氏のデジタル塗りの公式アートに切り替わった時代を順を追って確認しよう。

--コロコロコミックとゲームの普及 --ポケモンカード --「青」と海外版
--ポケモンに組み込まれた生命感
--アニメの影響とピカチュウ版 --金銀開発難航とアニメ事情
--第2世代 金・銀 --マイナーチェンジ版 クリスタル
--公式アート デジタル彩色への変化 --推察:何故デジタル彩色になったのか?
ゲームボーイアドバンス時代の空気感
--ドット絵からイラスト先行のデザインに --デザインの ゲンテンカイキ
--モンスターの先駆者 妖怪 --生命誕生・進化をより意識したモチーフ
--デザインの幅の試行、人型のポケモン --解像度向上と複雑さへのブレーキ
--赤緑〜RS デザイン変遷 まとめ
--概念と化したインドぞう

長い…

2020年4月22日水曜日

ポケモンらしさ-3_デザイン史〜初代開発史編

ポケモンの歴史を把握する


これまで「ポケモンらしさ」に関するアンケートを実施、その回答や寄せられた意見を分析してきた。

古参寄りか新参寄りか、現役プレイヤーか否か、プレイした本編タイトル経験数は、回答結果や意見記述に用いる単語の傾向に影響を与えていた。
またウワサされている「らしさの変化」の実態を検証し、関連意見に認知の歪みが存在していることも確認した。

20年以上続いた作品、900種以上数の増えたデザインに対し、生じた疑念に対して正確な情報を探すことも難しい。今回は、誤解が多い点をピックアップしながら「公式の情報源」をまとめていく。

その上で、アンケート回答者が感じた変化が、それぞれどこからなのか確かめてみよう。


--ポケモンのデザインを作っている会社
--ポケモンの著作権表記
−デザインの歴史
--プロトタイプ・カプセルモンスター
--モンスターボール
--はじめは ウルトラ怪獣
--製品版に残る開発過程の痕跡
--タイプ・伝説・進化系・御三家などの概念
--直接ドット絵を描いてデザインしていた
--公式アートによるキャラクターの解像度の向上

2020年4月12日日曜日

ポケモンらしさ-2_意見分析 マスコット感検証

アンケートの意見を解析しよう

実在動物のジュゴンはアシカではない。

謎の概念「ポケモンらしさ」調査の続き。

前回のアンケート集計結果では、原作ゲーム(本編)を現役でプレイしてない回答者ほど、新しいポケモンに「らしさ」を感じないという、至極当然な傾向が確認できた。

今回は、主にアンケートの記述式投稿の意見内容を、品詞分解を使いながら解析していく。

※4/12 21:20 語句修正  イレギュラーパターンの画像一枚追加

-それは「ポケモンのらしさ」なのか「私の好み」なのか
-アンケート頻出単語を抽出
-らしさは細部に宿るか
-ポケモン画像の名称の定義


2020年3月28日土曜日

ポケモンらしさ-1_アンケート集計結果

ポケモンらしさとは…?


『ポケットモンスター』(以下ポケモン)シリーズは23年以上続き、日本国内のみならず世界的に有名なキャラクターコンテンツとなった。その種類は890種を超える。

盛況に見える中でも、昨年のようにゲーム完全新作の発売と共に新しいポケモンが追加されると、そのデザインに対し「最近のポケモンは ポケモンらしさが失われた」という声が少なからずあがる。前回の完全新作が発売された2016年にも聞いた気がする。2013年にも、2010年にも…


…最近ってどこからだろう?


長期継続するシリーズでは、作品の方向性や表現の変化は避けられないだろう。
大きな転機が存在するとしたらそれはいつか、実際にどこが変わってしまったのか。

ゲームやアニメに常に張り付いていけるとは限らず、人は熱中したり離れたりするものである。
触れる時期にブランクがあればその変化に驚くのは無理がないだろう。
変わったと感じる声は どのような傾向の人々に多いのか。


長年気になっていたのでアンケートを実施してみることにした。


※3/29 22:00 引用意見の末尾に年代、クラスタを追記 前後の〜表記は前略攻略
4/12 第2回の内容にあわせて情報量を修正。(掲載画像を一部 次回分に移動)

はじめに

このブログについて ポケットモンスターシリーズの世界観について、1人のファンが非公式に考えたことをまとめていくブログです。自身の意見の全容がわかるように置いておくのが開設理由です。 主に オリジナル である ゲーム (株式会社ゲームフリーク開発の本編) を中心 に、派生ゲ...