ちょうど10年たった今、登場ポケモンのデザインについて触れたい。
BWはデザインの転換期であるとの声も多く寄せられた。
究極のポケットモンスターを目指した「ダイヤモンド・パール(以下DP)」までは新規や既存のキャラクターの進化系列など、バリエーションを継ぎ足しながら世界観を豊かに、プレイヤーを飽きさせないように工夫が為されてきた。(DPのデザインについては別の形で触れる)
新種が追加される区切りで言うと"第5世代"にあたるBWでは、それまでの既存キャラクターを一時封印し、ゲームクリアまでは完全新種のみが登場する。
その数151種!
初代赤・緑のキャラクターと同じ数だ。
クリア後に出会える追加要素や、劇場版アニメとの連動で得られる総数は156種となる。
既存のキャラクターに頼らず、しかしポケモンと出会い捕まえて育てる楽しさは変わらないように、デザインの「多様性」「バリエーション」は維持したい。恐らくそう考えての、初代キャラクター総数の踏襲だろう。
その内訳についても、強引ながら赤緑のバリエーションと比較した。
手探りの中151の多様性を開拓した初代と、その完成済みの151の多様性を14年の時を経てリブートしたBWの違いが一覧できる。
赤・緑151とブラック・ホワイト156のデザインのバリエーション比較図 |
5世代に渡って踏襲され続けてきた「御三家」「準伝説」「序盤〜」という枠は共通だ。
動物っぽいデザインや、無機物をモチーフにした種類、人型まで多少の増減はありつつ、ばらつき具合はかなり初代を踏襲した形跡が見られると言えるのではないだろうか。
この図ではうまく初代→BWのオマージュ対比がはまりきってはいない。初代自体が凸凹で今考えると歪なタイプバランスをしていたり、第2世代以降に定着した"枠"もある。そうしたズレも「変化」したポイントだろう。
BWは、初代からの継ぎ足しではない、総入れ替えだったことで「変化」が顕著に可視化されたタイミングだったのだろう。