アンケートの意見を解析しよう
実在動物のジュゴンはアシカではない。 |
謎の概念「ポケモンらしさ」調査の続き。
前回のアンケート集計結果では、原作ゲーム(本編)を現役でプレイしてない回答者ほど、新しいポケモンに「らしさ」を感じないという、至極当然な傾向が確認できた。
今回は、主にアンケートの記述式投稿の意見内容を、品詞分解を使いながら解析していく。
※4/12 21:20 語句修正 イレギュラーパターンの画像一枚追加
-それは「ポケモンのらしさ」なのか「私の好み」なのか
-アンケート頻出単語を抽出
-らしさは細部に宿るか
-ポケモン画像の名称の定義
それは「ポケモンのらしさ」なのか「私の好み」なのか
その前に、アンケートの意図を改めて伝えておきたい。
比較的古いポケモン、オクタンであっても2割の回答者は「ポケモンの進化らしくはない」、恐らく多くが「ポケモン皆が皆こうあってはたまらない」と感じ、あるいはらしくない変なやつがいるけど、全体としてそれもポケモンだとして楽しんでいる。
ポケモンデザインの方向性やコンセプトには、イレギュラーパターンが昔から数多く存在する。
ウソッキーは木ではない。嘘つきの木で、水が苦手な岩。だから面白い。
ラランテスはカマキリではない。花に擬態するハナカマキリの逆で面白い。
テッポウオ(魚)は脊椎動物で、オクタン(タコ)は軟体動物。おかしい。
突飛だが、鉄砲とタンク(戦車)という道具の発展であることに気付くと、納得はできなくても デザイン意図がより想像できたのではないだろうか。
ウミユリポケモン・リリーラはくさタイプだが、ウミユリはヒトデの仲間、棘皮動物で植物ではない。生物に詳しくなければ疑いもしないかもしれないし、興味があると強烈な違和感を感じるかもしれない。
カイロスは本当にクワガタだろうか…?
人がそれぞれ持っている知識量や気付きの違いで、感じ方も変わる。
キャラクターのデザインされた背景や詳しいモチーフに気付くと「魚→タコは進化としておかしい」から「鉄砲→戦車の無機物の進化を生物に無理に当てはめるのは苦手だな」というような言い方に変わるだろう。
ひとつのゲームに対して、ライトな関わり方、ディープな関わり方、どちらも否定されるべきでもない。このアンケートは、その様々な気付きの段階の違いにより、どのような「ポケモンらしさ」をそれぞれが抱いているかの調査なのである。
自分の感じた「らしくなさ」は何に起因するものか知り、「かつて好きだった部分」にそれぞれ名前を与え、実際にそれが減っているのかを徹底的に確認していこう。
そして今も昔も変わっていない「ポケモンらしさ」は 本当に存在しないのか
認識の解像度をあげ、深層を目指すのが、このアンケート分析の最終目的だ。
アンケート意見頻出単語を抽出
アンケートの最後に自由記述欄を設置ており、そこには回答者23,000件のうち6,841件の意見が寄せられた。内容はポジティブ・ネガティブ様々だが、まずは頻出単語を抽出し、「ポケモンらしさ」の輪郭に迫ろう。
手作業では大変な上、ミスや思い込みで結果が歪むため、コンピュータに品詞分解させた。全意見のテキストデータを単語や文節ごとに分け、意味のある語句を集計する。
今回もデータ解析に関してはぐれサイエンティストのProfessor OK氏に協力頂いている。
知識、認識の違いによって使用頻度が変わるキーワードに着目する。このグラフは、3つのクラスタによって頻出単語が変化すると仮定した場合、有意差が水準以下の(結果が偶然ではないと言える)25単語だ。これにより誰もが用いる ポケモン・デザイン・思う・感じるなどの単語も省けている。
各クラスタの差が小さく、頻度としては下位にある"化石"など条件に当てはまらないものは、後に取り上げよう。
今回は意見記述の回答者にしぼり、対象人数が変動しているため3つのクラスタを再定義している。引退寄りは剣盾未プレイ、BW前後のプレイタイトル数を条件に古参寄りと新参寄りで分けている。
最近・昔・初代・金銀・増える
古参寄り・引退寄りにより多く、過去と現在を比較する意見に含まれる。「らしさ」そのものが新旧の比較によって生まれた概念であることが改めて確認できる。増えるという単語自体も昔を知るからこそであろう。
また具体的にいつからのことを指しているか境目がはっきりしない意見が大半であることもポイントだ。RS・DP・BWなど世代を示す固有名詞(表記揺れは統一する処理を事前に行っている)は後期ほど分散しており、思い入れのある世代や感じた変化のターニングポイントはバラバラと思われる。
時代や環境の変化については、とても複雑で、全てのタイトルをプレイしてきた人間でも追いきれない。ポケモンデザインの歴史について、後ほど詳しく見ていこう。
慣れる・離れる
前者は古参寄り、次いで新参寄りほど多く経験したであろう、違和感に「慣れる」という体験に多く使われる意見。
そして比較的古参寄り引退寄りに使われたのが「離れる」というキーワードだ。
複雑・色・デジモン
解像度の向上と共に線の量が増え複雑なデザインに、ゲームで使える色数も増え、公式アートもアナログ彩色からデジタル彩色に変わったことでカラーリングも様々な変化を伴っただろう。そうした部分に言及する意見も多い。その過程も歴史と共に確認したい。
BWからデザインやカラーリングの単純化・ビビッド化が顕著になったと思う/古参寄り
色合いが鮮やかになり、モノクロや低彩度のデザインだった初期のポケモンたちと印象が変わってきてしまっているのかな、と感じました。あと何故だか分かりませんがデジモンっぽいですよね。/新参寄り
線が増えたというか模様などが複雑になったと感じます(というのもドット絵ではなくなったからだとは思いますが)/引退寄り
グラフィックの変化に対応して複雑な形状(より人型に近いなど)が作られるようになったと感じる。/新参寄り
好みや感じ方は主観に依るため、画像解析で新旧のデザイン(公式アート)にどのような変化が出たのかを見てみた記事がこちら
最近のポケモンはデザインが複雑になったのか?【Python】【OpenCV】
最近のポケモンはデジモンと似たキャラが多い感じがします/新参寄り
良い悪いはないがデジモンのようなものが増えたように感じる/引退寄り
デザインを貶すのにデジモンを引き合いに出さないでくれ/古参寄り
また「ポケモンらしくなさ」の代名詞として使われがちな他社キャラクター「デジモンっぽい」という表現も頻出するものの、そもそもデジモンらしさを理解して使用している人も多くはなさそうである。ポケモンとデジモンの画像を並べて、AIがどう判断するかその結果も次回以降まとめていく。
また人型デザインの増加についても考察していきたい。
動物・モンスター・マスコット・丸い
多くが「マスコット化」というトピックに関して、動物やモンスターという対比を用いている。
話題にも上がっていたけど丸みを帯びたマスコットデザインが多すぎる/引退寄り
最近はマスコットのような全体的に丸みのあるデザインが多くて、初期の実在の生物や物体を元にした生物感のあるデザインが少なくなっている気がします。/古参寄り
誰かが以前「最近のポケモンは生き物ってよりマスコット感が強い」と言っていたのがずっと気になっています。確かに最近のは昔と違ってみんな丸っこい..../新参寄り
マスコットとは「人々に幸運をもたらすと考えられている人・動物・もの」と広辞苑にあり、実在する飼育された動植物が団体のシンボルを冠することもあり、ポジティブなキーワードに聞こえるが、アンケートでの用法の多くは、「デフォルメによる生物感を低減させた」「ぬいぐるみや着ぐるみのような」「記号化された」というニュアンスで用いられているようである。「ゆるキャラ」という表現もある。
5世代以来のデザインはゆるキャラのような感じがする/古参寄り
その多くの意見の言葉の選択、そして頻出単語の偏りに影響を与えたのはツイートはこちらであろう。直接こちらのURLを貼って頂いた回答もあった。
生物的・マスコット・丸いという頻出単語とマッチしている。受け売りというよりは、同じ考えを持つ人が、このツイートにより確証を得たと感じたのかもしれない。ポケモンのデザインはどんどん生物的じゃなくなって行ってて、色んな部位が丸みを帯びてただの可愛いマスコットキャラクターと化してるっていう海外の分析画像が凄い pic.twitter.com/qHHVaHzEue— Χ十 ◤カイジュー◢(⃔ *`꒳´ * )⃕↝♡ (@KaijuXO) June 13, 2019
Twitter上で同様のキーワードの増加を見たグラフ。黄色い横線がツイート後の平均値、青い横線がツイート前の平均値。(動物に関してはどうぶつの森の影響が大きいので参考にならないが…)
画像の引用元は以下のものかと思われるが、生物的・マスコット化という意図や単語はなく引用者の拡大解釈であって特に「分析」結果ではない。元ツイートは「見られなくなった特徴」という気付きである。
画像内には「どちらを好むかはあなた次第、好みの問題」と書かれているのにも関わらず、日本語圏へは勝手な文脈に載せて拡散させられた形となっている。YO 😮 I never really noticed this about some of the newer Pokémon and now I can't unsee it 👀 pic.twitter.com/YEvNRIsULT— DM me for Toilet Paper 🔥 (@Mega_Arcanine1) June 6, 2019
図のチョイスは新旧3例ずつのみの恣意的な比較で、そこにリプライがついているとおり古くて丸いもの、新しくて描き込みが細かいものなど反例がすぐに見つかる。
— taffy ♡ (@toonbooker) June 7, 2019
ぼんやりと感じていた変化を一言で表すキーワードを、コンテンツに対し心が離れ気味で、情報の精査に積極的でない状態の人々が見たら、鵜呑みにしてしまうのは致し方ないだろう。
件のツイート自体やそのRTを非難するものではない。ポケモン自体も多すぎて確認する作業は実際とても大変なのだ。今回のように検証は狂人に任せつつ、結果が思っていたものと異なっていても柔軟に受け止めてほしい。
「丸さ?」がどの程度増えたのか、あるいは「動物感?」がどの程度減ったのか
実際のところを改めて確認していこう。
らしさは細部に宿るか
先程のTwitter画像でとりあげられていた第1世代クラブと第7世代マケンカニ、甲殻類を含む節足動物モチーフ全般の脚を公式アートを用いて一通り確認しよう。
サナギやマユ、公式絵に脚が描かれないコソクムシなどは省略 |
第5世代ペンドラーは、4脚が目立つようにアレンジされ、丸っとしたフォルムに鋭い爪も欠かさない。どくタイプらしさと愛らしさを両立した「デフォルメ」による親しみやすさがあり、ムカデというモチーフにも関わらず人気が高い。(Pokemon of the year イッシュ地方15位)
逆に第8世代のマルヤクデは脚の本数をモチーフさながらに増やしつつも、先端の丸さ、形状のシンプルさで、リアリティ方向に対してブレーキをかけている。キョダイ化すると実際に「100脚の百足デザイン」になるという"言葉遊び"も兼ねている。
これはキャタピーも同様で、遠目に見るとアゲハチョウの幼虫そっくりだが、偽の眼を逆手に取った頭部の解釈や、手足など細部の簡略化によって、愛嬌を作っている。
人造キメラであるシルヴァディの前足は、虫要素を強調するために、これまで登場したどの むしポケモンの脚よりも情報量が多い。
マスコット感や脚先の丸さ、モンスター感や複雑さ鋭利さが、新旧でわかれるものではなく、キャラクターデザインの振れ幅として今も昔も使い分けられていると伝わるだろう。もちろんそれが「ポケモンらしさ」を担保しているという話でもない。
そもそも「虫」に生物的リアリティを与えすぎるとヤバい!というのは理解しやすいのではないだろうか。「虫らしさが好き」な人がいるのはわかるが「虫が苦手な人は門前払いしてこそポケモン」と言える人は皆無に近いはずだ。
(今は「マスコット化」という拡大解釈に対する確認検証だが、やっぱり絵柄は変わったよ…と細かい差異に"気づいてる"人は、それは後でやるので 今はお待ち頂きたい)
公式アートにおける犬・狐系のあんよを一覧。厳密なイヌ科ではないものも含む。
ゾロアの極端なデフォルメが、歴代キツネの中でも簡略化された固有表現だったことに気付く。
比較に用いられた画像のゾロアは なんの画像だろう。公式アートでは無いものを用いて比較していたのだろうか…?公式絵の方がさらに丸い印象だ。
※4/12 22:00 情報提供頂き、ポケモンパン第112弾 デコキャラシール(劇場版 幻影の覇者ゾロアークの時期)のゾロアと同じイラストを左右反転させたものであることが判明。元はアニメスタッフによるイラストと推測される。
鳥ポケモンの趾(あしゆび)を公式アートを用いて一覧してみよう。
第6世代右から3つめはシュシュプ(フェアリー)で直球の鳥モチーフではない。 |
鳥ポケモンの翼を一覧。公式アートは畳んだものが多いため、3Dモデルを比較。
羽毛の描かれないペンギン系は省いた |
ここで疑問に思ってほしい。…急に3Dモデルでの比較に切り替わったがそれは意味があるのか。これらの3Dモデルはゲーム本編と同様のものなのだろうか、公式アートと全く同一なのか?見づらいのもあって差がわかりづらいのではないか?
実はそもそも発端のツイートで比較に用いられている「公式アート」自体が、そのポケモンが登場した当時のものではなく、具体的には2004年のファイアレッド・リーフグリーン(FRLG)発売時点、リメイクの時点で新しく描き起こされ"足された情報量"を持つ。特に下図の二匹の翼に関しては、リメイク後の公式アートを使って新旧デザインの差を判断すること自体が あまり公平な比較とは言えないだろう。
これらデザインのデティールを「ポケモンらしさ」の増減の根拠にしたい場合は要注意である。そもそもゲーム本編は当時小さなドット絵グラフィックなので、その細部は確認できない。
果たしてポケモンらしさは何を基準に見出されるものなんだろうか。
新しい絵、古い絵、派生を混在させたままではその先の細かい会話ができない状態だ。
先に言葉の定義を確認し、認識を共有したい。
ポケモン画像の名称の定義
公式アート
繰り返し「公式アート」(公式絵・公式イラスト)と呼んでいる画像は、
本編ゲームを開発している株式会社ゲームフリークが描き起こした、キャラクターイメージの大元となるいわば「原作イラスト」である。本編ゲームの攻略本や公式サイト、原作としてのポケモンを紹介する際に用いられる。
こちらで全てを確認することができる。>公式サイトポケモン図鑑
3Dモデル
らしさアンケート結果の解説で各ポケモンについて言及する際は、この3Dモデルが用いられた「Pokemon HOME」の図鑑画像を用いている。なぜなら「公式アート」には一部のポケモンの姿違い、♂♀差のあるイラストが用意されていないからだ。全種全差分が存在して、最も公式アートに近いポーズである、こちらに統一して用いる。
公開されている全てのポケモンは「モデリング」という立体化作業が完了しており、今では本編ゲーム、一部の派生ゲーム、CMなどで共通のモデルデータが用いられている。制作したのは株式会社クリーチャーズで、ゲームフリークや任天堂と共に最初期から著作権表記©に含まれる。ポケモンカードの開発も行っている。
ただし、モデル自体は単なる「立体形状データ」に過ぎないため、スマホ、3DSやSwitchなどのソフトやハードごとに見え方がバラバラだ。HOME図鑑画像も見え方のひとつに過ぎないが、"一覧できるモデルデータ"群として仮に「3Dモデル」として呼称する。GO→ピカブイ→HOME→剣盾 と4つの異世界跨いできたわけだけど…— たかさおじさん (@ikiro_pkmn) February 22, 2020
同じモデルなのに、テクスチャやシェーディング1つで全然見え方違いますよね。
(スマホ版のHOMEちょい辛い)
剣盾はルック作るの手間がかかってますね… pic.twitter.com/WppifedzVJ
各媒体での表現の違いは「Pokemon GOのグラフィック」「剣盾グラフィック」と呼ぶ。
アニメキャラデザ
TV・劇場版のアニメ絵のこと。用語が似て紛らわしいが、ポケモンキャラそのもののデザインではなく、大量に絵を描く必要のあるアニメーション作画向けに適する形に、改めてアレンジされた設計図、設定画のことを指す。実際の完成作品では、ここから作画監督やアニメーターごとに絵の癖が加わり、さらに音と動きがつくことで「公式アート」と異なる印象に変わる。最初期からずっと株式会社オー・エル・エムがTVアニメシリーズを手掛けている。
WEB公開されている「薄明の翼」は別会社、スタジオコロリドによるもの。
PGLアート
「PokemonHOME」のサービス開始と共にサービスが終了したポケモングローバルリンクで使用されていたアレンジイラストとして「PGLアート」と呼称する。
キャラクターのライセンス業務を統括している株式会社ポケモンが独自に使用する際に用いられているイメージがある。実店舗「ポケモンセンター」の壁面に描かれているポケモンたちもこちら。公式アートとデザインの細部が異なるものも多いがそちらにない仕草が見られるものもある。
ドット絵
ゲーム本編で使われていたグラフィックの様式。GAMEBOYの小さい画面への表示、ゲームカートリッジ(ゲームカード)の保存容量の限界などの都合から、ドット絵に適した形で第1世代のポケモンたちが誕生した。8世代中5世代、24年中13年、まだまだ歴史の半分以上を占める存在感の大きい概念かつ、本編ゲームの手持ちのアイコンではまだまだ現役である。一部流用もあるがソフトのバージョンごとにドット絵は新しく描き起こされているため、「赤緑ドット絵」「HGSSドット絵」などと呼び分ける。
上の画像は初代〜ピカブイまでのミュウツーの、歴代手持ちアイコン、連れ歩きなどマップ上のアイコンを画像サイズ準に並べたもの。一番右は戦闘時の赤緑ドット絵。
不思議のダンジョンシリーズなど派生作品でも用いられ、独自に描かれたものもあるが、無記載のものは本編のグラフィックについてさす。
旧公式アート
現在の公式アートは途中で更新されたものであることは触れた通りである。それ以前に公式アートの枠を担っていたものを「旧公式アート」と呼称する。水彩カラーインクで着彩されたアナログ手法で作画されたイラストである。キャラクターのアイディアは複数人で考案されたが、旧公式アートは全てゲームフリークの杉森 建氏によって描かれた。
見た目としては"デジタル化"の印象が大きいが、実際は紙に描かれた線画をスキャンして、彩色のみをデジタルで行ったものが多く、アナログな手法が混在しており、デジタル公式絵と呼ぶのは正確ではない。大きな画像であれば線画をよくみると、紙のザラザラが反映された線のザラつきが確認できるだろう。
赤緑の攻略本に掲載されたイラスト(1番左)、青版発売前後に公開されたイラスト(左から2番目)、赤緑のリメイクであるファイアレッド・リーフグリーンから今まで継続して使用されてきた現「公式アート」であるイラスト(左から3番目)が第1世代には存在する。
タッツーは実は例外で、クリスタル〜ルビー・サファイアの攻略本では「公式アート」と一致する線画だが水彩着彩のものが存在する(上図1番右)。青盤旧公式アートはヒレの数が異なっており、デザインのブレをクリスタルの時点で統一修正した経緯があると思われる。
初期の現「公式アート」がアナログ作画・デジタル着彩であることが伺える一例だ。
第7世代では一部公式アートの描き手が変わっており、その場合はフルデジタル作画なのではないかと推測される。ポケモンカードイラストに公式アートが採用されている場合は、イラストレーター名で特定できる。第8世代は未だ不明。 杉森建氏 大村祐介氏
まとめ
アンケート頻出単語のうち「マスコット化」についてはノイズなミームであったとして一旦結論づけ、次に進めたい。
アンケートでは、失われし「ポケモンらしさ」を求め
「旧公式アート」→「公式アート」
「ドット絵」→「3D」
「携帯機」→「HD化」
「デザイナー、ディレクターの変化」
など様々な原因を挙げる声がある。
その時実際には何が起こったのだろうか
次回 ポケモンデザインの歴史
初代開発史・デザインを作っている会社 権利関係
・カプセルモンスター
・ドット絵と旧公式アート
GAMEBOY時代
・アニメ化とピカチュウ版
・金銀延期と幻のポケモンX爆誕
・ルビサファとデジタル化、増田時代
DS時代
究極
BWとデザイナー
3D時代
XYと3D化
剣盾とHD化
とりとめのない長文をここまで読んで頂きありがとうございました。
コメント返信用。ルビー・サファイア当時のロコンの公式アートです。
???「マスコット化はノイズなミーム」の結論がよくわからない。ツイートされた画像への反例にしかなってないのでは?その上、最後の最後に定義付けを持ってきてるせいで更に主題がボヤけてる気がする
返信削除画像作成者と「マスコット化」発言者がの意図が不一致にも関わらず「アンケート頻出単語」になっている点を 拡大解釈・誤訳による影響と判断しています。
削除個々の感じ方については否定しませんし、全種を観察しての「マスコット化」検証、人々が何をもってして「マスコット化」と感じるかの調査については興味があります。が今回のアンケートでは材料が足りません。
「寄せられた意見から検証点を絞る目的」における『ノイズ』として他の要素を優先します。現在フォーカスするに値しないという結論です。
「一旦」と書くように、次記事でもデザイン自体が元々"マスコット"寄りな成り立ちをもっていることに言及したり、度々意識して触れることにはなっていくでしょう。全ての検証を進めた上で重要性が出てくれば、追加調査を検討します。
「元画像への反例」に関しての話題と同時並行で わかりづらい文章なのはこちらの反省すべき点と思います。
定量化しての検証はOK教授のこちらを参考してください。
https://qiita.com/mrok273/items/6f0bcdc62b6184f79308
こちらの結果と人間の直感とのズレに関しても課題解決を検討中です。
ポケモンリードデザイナーの交代による絵柄の変化の説明については
引用可能なソースをまとめた記事を編集中なので そちらをお待ち下さい。
初期のポケモンは、眼が違うと思います。
返信削除白目部分が多く、人間的だった気がします。
正直UBとか合体ネクロズマ?
ごちゃごちゃしたものはポケモンと認めたくないです。
>人間的
削除「人間的」が「ポケモンらしい」というご意見はとても興味深いです。
>ごちゃごちゃ
定量化しての検証はOK教授のこちらを参考してください。
https://qiita.com/mrok273/items/6f0bcdc62b6184f79308
>ポケモンと認めたくないです。
自由です。
大変興味深いテーマだと思います。
返信削除マスコット化は明白にあるものとして感じているのですが、
この記事ではマスコット化していないとは言っていないということでいいんでしょうか。
ポケモンらしさに直結する要素ではなさそうみたいな感じですかね。
この記事では「マスコット化」に関わる意見の大半が特定の画像からおこったミームと仮定した上で、
削除その『画像の拡まり方』を画像の内容とキーワードの不一致という観点から虚に過ぎない否定しております。
実際にそうなのかは「マスコット化」の定義によります。
情報量の削減によるシンプル化という話であれば、複雑化の傾向から否定されてしまうかと思います。
https://qiita.com/mrok273/items/6f0bcdc62b6184f79308
ただし複雑さや情報量だけではマスコットかどうかは言えないかもしれません。
写実的でなくシンボリックなデザインという話であれば、
初代の時点の解像度では元々マスコット的なデザインでしか表現できなかったという話になります。
この次の記事(開発史)を見ていただければご理解いただけると思います。
恐らく「マスコット化」という言葉を用いる人にも マスコットの明確な定義がないのではないでしょうか。「ポケモンらしさ」同様、"バズワード "なので、それに関する意識調査が必要かもしれませんね。
言葉を換えていければ「なるほどそういう所はあるよね」という認識の共通点が見つかるかもしれません。
ご返信、ありがとうございます。
削除やっぱり記事の内容はマスコット化を否定する立場のものだったんですね。
申し上げたとおり、私はこれはあるものだと思ってますので、
少し意見をコメントさせてください。
マスコット化の定義ですが、アンケートにも出てるとおり関連ワードがいくつもありますよね、
丸っこい、ゆるキャラ、記号的、生物感がない、情報量が減った、などなど…
この中で、いわゆるマスコット化傾向の本質に最も近いキーワードは
「生物感」なんじゃないかなと私は考えてます。
生物感をさらに別の言い方をすれば、
どれだけ生々しく描かれているか、どれだけ自然と風景に馴染むか、
どれだけ自然と存在をイメージできるか
みたいな感じでしょうか。
この観点で見れば、やっぱり初代から近年にかけてマスコット化の傾向があると認識できると思います。
たとえば、犬系の足について、
ゾロアが極端な例であることは確かにその通りですが、その他はどうでしょうか。
ロコンの足は、骨格がイメージできるライン、毛並みが表現された不規則性のある模様、低彩度で茶色に寄せた配色、差が小さい地味な色彩の変化など、総合的に極めて自然的で生物感のあるデザインです。
まずポチエナでは毛並みの模様に主線が追加されて、解像度も下がったことでよりグラフィックっぽく変遷しています。
ヨーテリーでは骨格の描写がほとんど省略されています。足首にはもこもこした毛の表現がありますが、ポチエナの模様にくらべてより規則的になっています。
イワンコに至っては脚は円柱のようで、模様から生物的な毛並みはイメージできなくなっています。
フォッコ、クスネは骨格は伝わるものの、結合した指、彩度の高い配色、毛の質感の無さ、特異な形状などの理由でやはりロコンより生物感が少ないといえると思います。
こんな感じで犬以外のポケモン、足以外の要素も総合的に見ていくと、近年のポケモンほど生物感が少なく、マスコット化していると認識できるのではないでしょうか。
もちろん生物感と世代で順序が逆転するところもありますが、ロコンほど生物感のある犬系は7,8世代にはなく、イワンコほど生物感のない犬系は初代に存在していないように
初代と7,8世代ではやはり明らかな差がありますし、
生物感のある描写は割合でみてどの世代にどれだけあるか、俯瞰してみる必要はあると思います。
矛盾する例を挙げて否定できるものではなくて、各世代の生物感の平均値みたいなものを想定して捉えるべきなのではないかと。それがよりユーザーが受ける印象に近いんじゃないでしょうか。
ちなみに、情報量はマスコット化に直接関係はないと思います。
生物的な描写を削減した結果、シンプルになって情報が減るイメージはありますが、
逆に非生物的な情報(変形や別のモチーフなど)を追加することによっても、生物感からは遠ざかることになると思います。
また生物感という言葉を使うと大抵、コイルやゴースみたいなものはどうなのかという返しに合うのですが、
コイルは地味配色でネジの描写がリアルなことで発電所に自然と「いそう」だし、ゴースもガスの表現や顔立ちが有機的でロトムなどと比較して自然な存在に感じられます。
今回のマスコット化は特に生物モチーフのポケモンでいう話だと思うので、生物感という言葉を使いましたが
どれだけ存在をイメージできるかという意味では非生物もまとめて解釈できると思っています。
生物感すなわち「いそう」かどうかのリアリティは、ポケモンに感情移入できるかどうかっていう魅力に直接関わってくる部分だからこそ、マスコット化として多くの人に指摘されたりするんではないかと。
長くてほんとに恐縮ですが、改めて生物感というものを中心に見たときのご考えをお聞きしたいです。
詳しいご意見ありがとうございます。
削除>やっぱり記事の内容はマスコット化を否定する立場のものだったんですね。
恐らくama様のおっしゃりたい、多くの人が感じた「なにか言葉にできない変化」があったことは確かで
それを言い表すより良い表現を探しています。
あくまで記事でとりあげた出回っている画像にまつわる意図としては、不適切な単語と考えます。
「記事タイトルだけで反応して中身を読まない」行為を否定したい立場と受け取って頂けるとありがたいです。
ama様のように対話でご意見頂けるのはなによりも貴重です。
>どれだけ生々しく描かれているか、
実写映画の名探偵ピカチュウを想像して大丈夫でしょうか。映画の面白さと無関係に、あれを公式アートにされるのは自分は抵抗を感じてしまいますがいかがでしょうか。
「マスコット化」という単語が不適切だと考える理由のひとつで、初代のポケモン151どれも デフォルメされたキャラクターデザインなのは否定できないと思います。
元々マスコットキャラクターと呼ばれる類の表現であって、それがどれだけよりマスコット化したかという表現になるのは、恐らくama様の本当におっしゃりたい「変化」とは違うのではないかなと思っています。
>「生物感」なんじゃないかなと私は考えてます。
新しい記事に、公式アートの絵柄でない部分で ポケモンに与えられた「生物らしさ」という観点で随所に補足をいれています。単純に絵の力だけで生物感を演出できたとは言い切れないというのが自分の考えです。もしお読み頂けたら、また是非ご意見いただければと思います。
>骨格がイメージできるライン、毛並みが表現された不規則性
>まずポチエナでは毛並みの模様に主線が追加されて、解像度も下がったことでより
もしかして、比較画像に使われたロコンの「デジタル彩色公式アート」をイメージされていらっしゃいますでしょうか?
揚げ足取りのつもりではないのですが、こちらに画像が貼れないため、記事最下部に当時の攻略本の画像を載せました。
ポチエナ初登場時は、実はロコンのイラストは古いままで、ポチエナのような毛並みの描写だったんですよね。なので、ポチエナ側に主線が追加されたのではなく、ロコンの新たな公式アート描き下ろしで主線が省略されたのが事実です。
赤緑のリメイクで描き直されたポケモンはピジョン含め、古いアートよりも、かなりリアルな描き込みが多いですよね。杉森さんにもおなじみの描き慣れたポケモンたちなので、つい筆がノッてしまったのでしょうか。
他の犬モチーフに関してもおっしゃられたい意図はわかりますが、同様に現在の公式アートだけで強引に話を進めず、イラストの変化と共に環境の変化を追って見るのが良いのではないかと思います。
また骨格の上に脂肪、毛の量が加わってシルエットは変化します。ふわふわでぬいぐるみのような子熊、生きている姿からは骨格が想像できないマッコウクジラなど、実際の生物も不思議です。
アローラロコンがもし骨格が感じられないとしたら、冬毛であったり、寒冷地への適応で脂肪が蓄えられているという解釈も可能ではあります。
単純に絵柄の変化、描き手の交代なども考えられます。なかなかそれらだけで断定するのは難しそうです。
>各世代の生物感の平均値みたいなものを想定して捉えるべきなのではないかと。
>それがよりユーザーが受ける印象に近いんじゃないでしょうか。
平均値となると、なにかで数値化しなければいけません。その試みが、OK教授による複雑化の計測など「定量化」という考え方です。
生物感を数字で評価するアイディアがあれば教えて下さい。
ご意見は歓迎です。それぞれが感じた変化がどこなのか、好きだった箇所を言い表すよりよい言葉はなんなのか探っていけたらと思います。
ご返信ありがとうございます。
削除「マスコット化」という単語が不適切だということについては、私も同感です。
なので、この変化の本質を表すより適切な言葉は生物感なのではないかという趣旨でコメントさせていただきました。
「生物感」もベストではない感じは私自身しているので、よりよい表現の追求は依然として感心があり応援させていただきたい次第です。
>実写映画の名探偵ピカチュウを想像して大丈夫でしょうか。
>あれを公式アートにされるのは自分は抵抗を感じてしまいますがいかがでしょうか。
名探偵ピカチュウは私の言う生物感が最大レベルの表現であるというのは間違いないですが、
「公式アートも生物感が高ければ高いほどよい」という内容で私の発言を解釈されたということでしょうか?
古いポケモンほど新しいポケモンに比べて生物感が高い、という以上の意見は私としては含めていないつもりでした。特にその傾向を嫌う立場でもないです。
「ロコンが極めて生物的」などの言い方はポケモン(公式アート)の中で相対的にみた印象として受け取っていただければ幸いです。
>もしかして、比較画像に使われたロコンの「デジタル彩色公式アート」をイメージされていらっしゃいますでしょうか?
>ポチエナ側に主線が追加されたのではなく、ロコンの新たな公式アート描き下ろしで主線が省略されたのが事実です。
この点については私の認識が甘くお恥ずかしい限りです笑
ギリギリ水彩画の公式アートにも触れている世代ではあるんですが、
実はデジタル彩色以降の公式アートが好みで真似て描いたりなんかもやっていたので、
私のポケモン観そのものにデジタル公式アートのバイアスが少なからずあるのかもしれません。
また仰る通り、アニメでしか知らない人、ゲームでしか知らない人など様々あるので、具体的なファンのポケモンのイメージにどのメディアがどれだけ影響しているのかは考慮すべきなのかもしれないなという風に感じました。
一応そういった点を差し引いた上でも、やっぱり生物感の変化はあるだろうという認識ではあります。
ファンのイメージ形成に影響しているものを重視するならば、デザインが不安定な時代の旧アートよりも、大衆の目に晒されている期間が長いデジタルの公式アートがよりよい指標になるという見方もできますし、
犬の足の件で挙げさせていただいた表現の中には、描き手やメディアによらないポイントも少なからずあるのではないでしょうか。
ですが、断定となるとこれは難しいですね。
特に一律で変化しているわけでもなく、例外がいくつもある中で昔の方がこういうのが多かったんじゃないかと言っているだけですので
今のところなんとなく以上の判断はできないという理解で私も納得いたしました。
平均値という言葉を使ったのはこれも誤解を招いてしまって申し訳ないんですが、少ない例外なら無視できるのではないかということをお伝えしたかっただけで、
数値化を求めるものではなかったです。
生物感というと、どれだけそれらしいかを判断する人間の生物に対する知識やイメージが関わってくるので、画像解析などによる数値化は難しいんじゃないかなと思います。できたとしても機械学習?的なことになるのかな
繰り返しになりますが私はポケモンのデザインにおける生物感の減少を感じてる一方でそれを批判的に捉えてるわけではないです。ポケモンらしさというものがあるんだとしたら、それ自体は今でもかなり守られている気がしています。それがなんなのかよくわからないですが、また気になったことがあったらコメントさせていただきます!
返信ありがとうございます。
削除この問題自体、各々の使う言葉のニュアンスが幅を持っていて、なかなか「一言でうまいこと言ってやろう」というのが難しいですね。
個々の思い描く主語(ポケモンゲームやアニメ全体・ポケモンの公式アートに限る・ポケモンの御三家や伝説など目立つ範囲)が 膨大なメディア・二十数年にわたり広すぎるのも、話がし辛い点なのかなと思います。
と同時に、曖昧で幅広いことが、より多くの人がポケモンを楽しめる利点になっているとも。
「マスコット感」に関しては 「象徴的な画像」を使われてしまったが故に ミームとして多くの人に伝播しました。
同時に そう単純化して捉えられないよ という認識な人たちも自分の周囲にいるのですが、「画像をまとめて」「うまいこと言って」反論すること自体がさらなる単純化に過ぎないので、 モヤモヤしてしまうトピックでもありました。
この記事自体も「単純化」のひとつに過ぎず、次なるモヤモヤをamaさんのように抱えさせてしまう問題を孕んでいることは承知しております。コメントありがとうございました。
この対話の上で(お互いどういう前提で話をしているか確認できた上で)、触れると、
公式アートに関して、「生物感」・「細部の丸さ(パーツ単位に含まれる曲線のニュアンスの単調化)」など大きく感じられる変化は、描き手の交代(杉森さん→大村さん→?)も大きいと思っています。
杉森さん自身の描き方の変化や、
世代交代を経て、杉森さんがなにをもって「ポケモンらしい」と判断し、新たなデザインの仕上がりを見守っているのか を観ていけたらと思っています。
「モンスターハンターシリーズ」も虫系登場の要望と虫嫌いユーザーの狭間で難儀しているようですね
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