2020年3月28日土曜日

ポケモンらしさ-1_アンケート集計結果

ポケモンらしさとは…?


『ポケットモンスター』(以下ポケモン)シリーズは23年以上続き、日本国内のみならず世界的に有名なキャラクターコンテンツとなった。その種類は890種を超える。

盛況に見える中でも、昨年のようにゲーム完全新作の発売と共に新しいポケモンが追加されると、そのデザインに対し「最近のポケモンは ポケモンらしさが失われた」という声が少なからずあがる。前回の完全新作が発売された2016年にも聞いた気がする。2013年にも、2010年にも…


…最近ってどこからだろう?


長期継続するシリーズでは、作品の方向性や表現の変化は避けられないだろう。
大きな転機が存在するとしたらそれはいつか、実際にどこが変わってしまったのか。

ゲームやアニメに常に張り付いていけるとは限らず、人は熱中したり離れたりするものである。
触れる時期にブランクがあればその変化に驚くのは無理がないだろう。
変わったと感じる声は どのような傾向の人々に多いのか。


長年気になっていたのでアンケートを実施してみることにした。


※3/29 22:00 引用意見の末尾に年代、クラスタを追記 前後の〜表記は前略攻略
4/12 第2回の内容にあわせて情報量を修正。(掲載画像を一部 次回分に移動)



実施 2020/02/26〜2020/03/07
元URL https://t.co/HwbqNXJNpU

結果、回答23,000件が集まった。SNS上での回答という偏りは当然あるが、サンプル数としては十分すぎるほどだろう。たくさんの拡散・回答協力にお礼申し上げたい。

大量のアンケート結果の集計・解析には(大丈夫P改め)はぐれサイエンティストのProfessor OK氏に技術面でご協力頂いている。


-どのような人々がアンケートに答えたか-各設問の意図と集計結果
-回答者のクラスタ分け
---Q6 ポケモンそのものの定義
---Q7 ネーミング

どのような人々がアンケートに答えたか


ポケモンは携帯機向けのテレビゲームを原作とし、アニメや漫画に派生していったコンテンツである。比較的珍しいパターンではあるが、知識調査では93.2%が「ゲームが原作」と回答しているように多くが把握している事実である。

プレイされたゲームタイトルの数を比較してみた。
プレイ人数を円の大きさで表し、両方プレイされたタイトルは線の太さで表している。
つまり赤緑青と金銀両方プレイした人の方が、金銀とRS両方プレイした人より多いことが可視化されている。先の太さはjaccard係数 (A ∩ B)/(A ∪ B) を用いている。
図の作成について詳しくは Professor OKによる解説を参照いただきたい。



この図によって、はっきりと読み取れるのは
・となりあったタイトルや世代への移行は多い。
・「完全新作」にあたるタイトル(赤・緑・ダイヤモンド・パールなど)に比べて「マイナーチェンジ版(クリスタルやプラチナ)」や「リメイク版」は人数が減る。
・ダイヤモンド・パール(NintendoDSハード)以降のタイトルの、ソード・シールド含めたネットワークの太さ
・赤緑青・金銀の繋がりと、それ以降が分断気味

年齢別で見るとわかりやすい結果となった。

10代はDP以降が圧倒的に多くDS世代とも言える。
最も回答者に多い20代は満遍なくプレイしているように見えるが、年齢を前半後半で分けてみても良かったかもしれない。
30代はまさに初代金銀世代。特筆すべきはHGSSでの復帰とBW経験者の多さか。

回答者のうち、本編ゲームのどのタイトルも未プレイなのは275件ほど。
そのうち半数はアニメから、10%はPokemonGOからポケモンに触れ、18%はポケモンに関わりをもったことなく興味本位で回答頂いたようだ。今回のような調査では全く知らない人からの回答も貴重なサンプルと言える。

逆に回答者のうち、全タイトル(同時発売タイトルの両方プレイは問わない)経験者は1000人を超す。すべて見てきた上での意見なども参考になるだろう。

各設問の意図と集計結果

各設問は、発売当時の印象/今現在の印象などの厳密な聞き方を決めようとすると、既プレイ未プレイ・知識の有無などケースごとに文章を変えなければならず、配慮に徹するとお硬く文字だらけになりすぎてアンケートを「そっ閉じ」されかねない。質に拘りすぎて量を損なうのは元も子もないため、ラフな設問文でいくと決めた。

Q1 パッケージの伝説ポケモン


問『ポケモンに見えたらチェック!正しい答えかより自分がどう思うかを信じて!


ゲームのパッケージに描かれるポケモンは各世代を代表する目玉であり、新ポケモンの中でも特にデザインに力を入れていると思われる。
購入しプレイ済か否かと、ポケモンらしく感じるか否かが、最も紐づく部分なのではないかと仮定し、一番最初の設問とした。

「らしさ」の判断は慣れや比較対象の変化で移ろいゆくものである。当時を思い出しこの瞬間に未だ迷うかどうか、疑いもせずポケモンと思えるかどうかも含めてポケモンに見えるか」どうかと聞いた。

「ポケモンらしいと思わないが知識があるのでポケモン見える」という状態もあり得るので条件を緩くしたように感じるかもしれないが、逆に「知っているがポケモンには見えない」と言い切るジャッジは相当厳しい評価とも言える。そちらのラインを探る。

選択肢



第1世代、第2世代の完全新作のパッケージポケモンは、いずれも「初代」ブームの内に公開されたため、ここではポケモンらしいか否かの選択肢としては省略した。

確認したいのは世代毎の数の差なので、以降の世代から同時発売タイトルのうち暖色寄りの伝説ポケモンをひとつ選択。青いディアルガだったら…などの得票差はここでは無視。
レシラムは無彩色に見えるが、尾に赤く炎が発光するギミックがある。
(寒色でも別に構わないが、国内の初代が赤・緑なので青が多めなRS以降だと別の感情を呼び起こしそう)

ハード毎に異なるパッケージの縦横比、タイトルロゴのデザイン、イラストの質感・彩色(アナログ・デジタル)などのノイズを排除するため、全て"初代風"に描き起こした。
当たり前に見慣れたポケモンたちを古い様式で俯瞰すると 改めて「らしさ」というものを意識できる機会になるかもしれない。
設問者がこのパロディを並べて見てみたかっただけという説もある。

なお、選択肢は順序による偏りがないように、回答者ごとにランダムで配置されている。

集計結果


太いグラフが「ポケモンに見えるかどうか」の得票、折れ線グラフはパッケージとなる同時発売タイトルいずれかをプレイした人数である。グラードンはリメイク版も含めた。
概ね、ポケモンに見える人数はプレイ人数の差と近似していると言える。ざっくりと古い作品ほど遊んだ人数以上が認識し、現行作品は遊んだ人数より下回っている。
もちろんプレイしたと答えた人物とポケモンに見えると判断した人物が完全一致しているわけではない。

らしいからプレイされたのか、プレイされたからポケモンらしく見えているのか、この結果からは不可分だが、前者を証明するためには発売前と発売後の数字を調べる必要があるだろう。

個人的にもルビー・サファイア発表時にはポケモンっぽく見えないと感じていたグラードンだが、今は九割以上がポケモンに見えると感じる存在になっているのは感慨深い。近年にタイトルがリメイクされたことも関係があるだろう。

意見記述欄よりグラードンのいくつかピックアップ。

小学生の頃4、5世代に馴染み深かった自分は、実は初見時グラードンがポケモンに見えませんでした…(小声)/10代/グラードンにチェック

個人的にはグラードンカイオーガあたりが「ぽくない」ように感じます。でも第3世代全部がぽくないと感じるわけでもない。/30代/RS・ORAS未プレイ/グラードンにチェック



回答者のクラスタ分け

せっかくなので、得票差だけでなく、分析にひと味足してしてみたい。

プレイした本編タイトルから 現役プレイヤーか否か/過去作からやりこんでいるか否か を基準に次の3つのグループに分けてみた。
古参寄り7836人 新参寄り8185人 引退寄り6979人
具体的には最新三世代(XY~ソードシールド)のうち二世代プレイしていないと引退と仮定。それ以外の現役プレイヤーのうち、最古三世代(赤緑〜エメラルド)を各世代1タイトルずつはプレイしていたら古参と仮定、残りを新参と仮定した。
※初代金銀をプレイしていてもRSを飛ばしていたら新参寄りになる。復帰勢は新参扱いなイメージ。

平均プレイタイトル数は同時発売のものをひとつと数えた18タイトル中、
古参寄り15本 新参寄り9本 引退寄り5本 である。

本来どこからどこまでが古参か新参かを線引きするのも不毛なこと、忙しいなど事情あってプレイできていない人も引退扱いされてしまっていること、そもそもどのタイトルも未プレイの人まで引退と呼ぶのは適切でないことなど、重々承知の上、3クラスタの人数がなるべく近くなるように区分けのラインを調整した。

あくまで今回のデータを読み取る補助のための仮のラベル付けとご理解いただきたい。
グラフをクラスタで塗り分けると先程のQ1が以下のように見える。

グラフ内の各右端の%はクラスタの人数に対する割合である。古参新参の割合にさほど大きな変化が見られないが、引退寄りの割合がXY以降少なくなっているのがわかる。
XY以降離れ気味の人々に絞っているので当然の結果だ。

数字は正直、ではあるが デザインに文句を言っているのは引退した人だけ というのは間違った読み方なので先に釘をさしておきたい。最新世代に触れているという判断でカテゴライズした古参寄り新参寄りの現役プレイヤーの中にも途中数世代離れた、あるいは受験や就職で忙しくてプレイできなかった人々が含まれているだろう。

古参寄り新参寄りのうちチェックしなかった人々も十数年後(XYのリメイクがくるころ)には、グラードンのようにイベルタルやソルガレオがポケモンにしか見えなくなる時期がくるのかもしれない。気の遠くなるような先の話。


XYといえば本編ゲームのグラフィックがドット絵から3Dメインに切り替わった境目でもある。ひと通り集計結果を見ていった後、XY前後に「ポケモンのデザイン」に関してなにが起こったのか、またグラードンのルビー・サファイア前後の変化も合わせて、詳しく考察していきたい。

関連する意見をいくつかピックアップ。

「ポケモンぽくない」と思うのはグラフィックの進化が原因なのかもしれません。冒頭の「初代っぽいイラストのザマゼンタ」を見てそう実感しました。やはり初代からポケモンに触れてきた人は2Dのイメージが強いので、現代の3Dから登場したポケモンには少し抵抗があるのかもしれません。/20代 新参寄り(初代からプレイ RS・DP休止 HGSS復帰)

リージョン含む最近のポケモンは3Dモデルの都合だとは思いますが、過去のデザインに比べ骨格(特に関節部)のデフォルメが激しくなってきてると感じます。判りやすい例が原種ギャロップ⇒Gギャロップでしょうか。生物らしさは薄れ、反面とっつきやすいキャラクターになってきているのでは無いでしょうか。/20代 古参寄り 全作プレイ


剣盾からの新しいポケモンたち、3Dモデル化+ふれあい機能の充実のおかげか、奇抜なデザインでも昔以上に受け入れやすくなってるなあと思います。昔はあまり興味なかった子も剣盾でめちゃくちゃ好きになったりしたので…(店番マラカッチちゃんかわいいですよね!)/20代 古参寄り ピカ版とピカブイ以外プレイ


最初はうおっ!と思ってもアニメで動く姿を観ていると不思議と慣れることが多いですね。最近のポケモンは3Dで最初から動くのでそういった齟齬が逆になくなりました/30代 古参寄り 全作プレイ


大半が疑いもしない「らしさ問題」は些細だが、ついていけなくなった者には大きな問題でもある。耳を傾けながら実際のところを確認していこう。



Q2 人型ポケモン


問『だ〜れだ? ポケモンだ!と思ったらチェック!


数ある中のデザインでも「人型・亜人種」であること、「野生の生き物なのに服を着ているようなデザイン」への抵抗を耳にすることが多い。アンケート最後の自由記述欄では、人型への言及148件(ネガティブポジティブ合わせて)。その内、服に関しては30件の意見が寄せられている。

これは初代からそうですし、ポケモンらしさかというと微妙なところかも知れませんが、カイリキーのベルトや、ダゲキ、ナゲキの服のようなものといった明らかに人間の文化のものを身につけていると「え?もうそれ人間じゃん…」となることがあり私はポケモンのそのような所があまり好きではありません/10代 新参寄り

帽子、柔道着、リボンなどが付いているデザインは少し違和感があるなと思っています。/20代 古参寄り


ヒトに近すぎるデザインはモンスター感が薄れるなぁと思う、ナゲキ/ダゲキ、ゼラオラも顔がヒト寄り。ゴーリキーカイリキーは顔が獣寄りだから気にならないのだと思う。個人的にオーロンゲは苦手だけど、大好き!という人もいるのは知ってるし、不気味さはモンスター感だと思うのでアリなんだと思う。/30代 新参寄り(初代からプレイ・第3世代未経験)


各世代から人型に該当するものをチョイスし、ポケモンらしいと感じるかを調査。色彩や表情などの要素を廃して 人型であることを強調するためシルエットとした

選択肢

最初期から存在するバリヤードも相当ポケモンに見えない部類だと個人的に思っており、以降の人型パターンと並べて聞いてみたいという意図がまずある。ポーズをあえて第5世代ダゲキのものに統一して描き起こした。

わりとポケモンですって言われて出されれば受け入れるタイプだが、ガメノデスとUB(これはコンセプト的に正しい)のインパクトは凄かった。あと子供の頃からバリヤードに関してはポケモンか…?こいつ…って思ってた記憶がある/10代 新参寄り

初代からポケモンをずっとやってきたが、色や形がシンプルなデザインをポケモンと認識することが多い。ヒトカゲやピカチュウなど、実在の生物の形を少し変え、しかも色もほぼ単色というものを。なので、ダゲキナゲキやキリキザンなどのXY世代には特に違和感を持つことが多い。弊害としてはバリヤードもポケモンには見えなくなってきたこと。(これは元からな気はするが…)/20代古参寄り

ポケモンらしさをあえて外してデザインされた「ウルトラビースト」の一種であるズガドーンもどのような結果が得られるか気になった。

選択肢に含めたボールガイはポケモンではなく被り物をした正体不明の人物。ボールガイよりポケモンらしく見えるかが、人型ポケモンへ課した試練だ。


幼稚園生のころポケモンが始まり卒業することなくずっとコンテンツに触れています。サーナイトやクチートのデザインは衝撃的でした。今までの可愛い系ポケモン(ピッピとか)とは子供心に全然違うデザインだと…。小学校高学年の当時は「とても女の子っぽい見た目」と感じました。女性的なポケモンというとルージュラくらい?あとはラプラスも綺麗と思っていましたが、二足歩行ではないので女形のポケモンとは思っていませんでした。ミミロップもだいぶ女性的ですね、この頃は中学生だったのでネットの知識もありケモナー向けポケモンだなという感想になっていました。/20代 古参寄り

「女性型」なデザインも度々議論がおこるトピックである。こちらも最初期から存在するルージュラから最新作のブリムオンまでを並べた。ルージュラのように♀しか存在しない種もいるが、サーナイト、ミミロップは♂の個体も存在する。

これらは意図的に「女性的記号がわかりやすい角度とポーズ」に寄せて描き起こした。
他の選択肢に関しても公式絵そのままのシルエットだと『訓練された人間』は瞬時にポケモンと認識してしまうため、新しく用意し、改めてポケモンらしいのかを俯瞰して比べさせようという意図がある。

集計結果


XY以降登場であるアマージョ・ブリムオンの引退寄り票の低さがこちらでも見られる。

ダゲキは「公式絵」に最も寄せているので、多くがダゲキであることを認識した上で未だポケモンらしく感じられない気持ちを投じていると察せられる。

チャーレムもなかなか当時挑戦的なデザインに感じたのだが、この結果はQ1グラードンのように馴染んだということだろうか。ヨガのチャクラとハーレムパンツに由来するネーミングと推測されるが、服飾モチーフのデザインへの落とし込み方がダゲキの道着とは異なる点も、後の考察対象としたい。

異世界からやってきたズガドーンはもはや「ポケモンらしくない」が褒め言葉とも言えるポジションで、制作者たちも思わずにんまり…な結果なのではないだろうか。現役プレイヤー票も「知ってしまったのでポケモンとしか思えない」「らしく見えないの含めてズガドーンらしい」という感情に二分された状態にあるのではないだろうか。
ウルトラサン・ウルトラムーンプレイ済みのうちでも票を投じたのは67.4%あった。

ズガドーン、その他UBはデザインに賛美両論あると思いますが、私は不思議なデザインが好きなのでハマりました。コオリッポも好きです。可愛い。波平みあるとこも含めて好き。〜 /20代 新参寄り ズガドーン票有

あくまで一個人の感想ですが、色がたくさん使われていたりカラフル過ぎるとポケモンとして捉えにくいな、と感じます。例として挙げるとすると、ズガドーンとか…しかしズガドーンはUBなので普通のポケモンとはちょっも違うものなんだ!と思えば、あぁそうかとなってしまいますが…〜/10代 新参寄り ズガドーン票無し

ポケモンでないボールガイは、剣盾プレイ済であっても、この記事を読むまでボールガイだったと認識できなかった人も多いはずだ。少なくとも、ズガドーンよりポケモンらしく感じられないシルエットであることを証明するという仕事を熟した。

ルージュラ以下は意図的に女性的記号を強めていることがややマイナスの影響を与えているだろう。ルージュラはバリヤードと比較しても、特にシルエットだとポケモンであると視認しにくいと思われる。結果的に公式イラストに一番近いシルエットのミミロップが女性型の中でも票が高い。

ダントツにポケモン・オブ・人型ポケモンなバリヤードは、昨年は実写版名探偵ピカチュウで大きくピックアップされ、アニメシリーズでも準レギュラーになるなど、大躍進の年。2019年はバリヤードイヤーだったといっても過言ではないだろう。

※2020/09 追記
人型デザインに関する定義の再確認と実際の増加傾向を確認した記事


Q3 派生アレンジ


問『ピカチュウに全てチェック!なりすましに気をつけて!


一口にポケモンらしさといっても、本編ゲーム以外の展開も含め、多様なアレンジが加えられており、それら含めてポケモンとして見られるよう監修されている。
最もわかりやすいピカチュウを取り上げてそのアレンジ幅を意識させてみたい。


選択肢



この設問でも変化した部分を強調するためシルエットとした。「黄色に赤いほっぺ」な一発でピカチュウと認識できる色彩的な記号を封印して、派生や亜種がどこまで崩しているかを俯瞰してみたい。

A「ポケモン全体のトレードマーク」としてより記号化されたピカチュウである。ポケモンセンターなどの店舗に使われるアレンジで、ポケモン公式Twitterのアイコンのように、顔だけで独立して使える形に最適化された結果、首と胴のくびれが深い。

B 赤緑のリメイク、FRLG以降に使われるようになったデジタル彩色版のピカチュウの公式アートを基準に、DP以降追加された♀のピカチュウの尻尾の特徴を加えたもの。♀は尻尾がハート型という知識がなければパチモンに見えるのではないかという狙い。

C ポケモン牧場、ポケモンスクランブルシリーズなど、有限会社アンブレラ開発の派生タイトルで用いられているローポリゴンなデザイン。登場ゲームの特性上、3D化した大量のポケモンを表示させるために、極限まで要素を削ぎ落とした形状となっている。

D 赤緑発売当時のピカチュウ公式アートを基準に、最新作剣盾登場のキョダイマックスの姿の尻尾の特徴を加えたもの。キョダイマックスピカチュウ自体が、ぽってりとした体型の懐かしいピカチュウというミームを自覚的に利用しているだろうデザインだ。

E ポケモンクエストはゲーム本編と同じ会社が開発した派生タイトル。初代151匹のポケモンたちが四角くアレンジされている。

F ピカチュウが広く認知されている前提でデザインされた、ピカチュウの外見を真似ているミミッキュという別種のポケモン。項目としてはフェイクである。

集計結果

B,Dは公式アートで見慣れたシルエット故か、流石のピカチュウ認識率が高さである。♀の姿やキョダイマックスの姿といった細部の違いは現役プレイヤーにとって問題でないだろう。

Aは イラストの選択に難があり、尻尾のシルエットなども認識しづらい状態のものであるため、色味や表情を封印されると途端にピカチュウらしさが減少してしまうのかもしれない。

Eのクエストはソードシールドに先駆けてSwitchハードに登場した派生ゲームソフトなので、現役プレイヤーの認知度は高いだろう。XY以降の本編や派生ゲームのピカチュウは、アニメと同じ大谷育江さん収録のCVで「ピカチュウ」と鳴くようになったが、このポケモンクエストでは、ピカチュウが久々にBW以前の電子音声で作られたSEで鳴いている。

Cを実際目にするスクランブルなどのパッケージイラストは、ローポリに合わせたデフォルメにしつつ、滑らかな曲線でかわいらしく仕上げられている。低解像度なゲーム画面で、正面からはっきりと粗いCGの形状を描かれるとギョっとする面もあるだろう。新参寄りの票が多いのは、牧場やスクランブルなどがDP直撃(2006年〜)世代の方が馴染みが深いシンボルだからだろうか。

ミミッキュというポケモンが、ポケモンらしいかはさておき、第7世代登場で比較的新しいにも関わらず、ピカチュウではないという認知度が高いことが興味深い。 


今回の選択肢のように大胆なアレンジが加えられていても、解説記事のフルカラーで見れば、誰しも一発でピカチュウだと認識できるのではないだろうか。
カラーリングで認識できる故の 大胆な派生アレンジ展開ができているのかもしれない。



過去まとめたピカチュウイメージの変遷も貼っておく。





Q4 進化パターン


問「ポケモンはこんな進化するよね そう感じたらチェック!」


単体のデザインだけではなく、別のデザインの生き物への進化という関係を通してポケモンらしさを感じる部分もあるのではないかと考え、このような設問も用意した。


選択肢



増えたり反転したり技術面で発展したりといった、生物的な観点と異なる「進化」は、ポケモンならではの要素であると考え、結果的に無機物モチーフ中心にチョイス。


アニメや、ゲームモーションの一部として見ることのできるゲノセクトの飛行形態、進化とは異なる生物適応を模したオドリドリの「フォルムチェンジ」など、進化としてはフェイクな項目も混ぜている。

集計結果


まず初代のヒトデマンらの圧倒的な「ポケモンの進化らしさ」率が目に留まる。

意外にも次いでギアルが高い。BW発売直後は進化系のグラフィックがコピペだの手抜きだのと批判の的になりがちだったことを憶えている。こちらも経年のおかげで馴染んだのだろうか。ヒトデマンやヤバチャと並べて俯瞰させたことや、ギアル・ギギアル・ギギギアルという進化系列のネーミングを伏せたおかげもあるかもしれない。

特に面白いのがビリリダマの票の低さと内訳である。丸い、モンスターボールに擬態したポケモンとしては有名だが、黒い●のシルエットとしてふたつ並べると、記憶の中のその存在と結びつきにくいのだろうか。よく訓練された懐古寄り新参寄りで割合に大きな差が生じている。

登場時期が古いにも関わらずテッポウオ→オクタンの票が少ないことも目立つ。鉄砲→戦車(タンク)という発想から繋げられた「実在生物では遠縁すぎる突飛な進化」は当時から度々「おかしな発想だ」と語り草になる。20年以上たってもその印象が薄まりきっていないと言えるだろう。

フェイク項目のゲノセクト・オドリドリに関しては、「ポケモンらしさ」というアンケートの中で 急に別角度からの「進化か否か」という聞き方をしたせいで、設問意図が伝わらないまま、知っているポケモンとしてチェックした人が一定数いるだろうと考えられる。

このふたつを見比べるとゲノセクトの、現役プレイヤーより引退寄り票が多いパターンは珍しい。BW~XYの間、コンテンツ自体から離れ始めていた時期にアニメや劇場版で明かされている「進化ではなく変形である」という知識を得られなかったのが一因なのではないだろうか。

XY以降登場のスナバァ・ヤバチャらの引退寄り票が下がるのは定番パターンであろう。


Q5 デザインパターン


問「ポケモンで一番ありがちなパターンにチェック!よく見るよね」


ポケモンらしさの話題には、ネタ切れ、怪獣らしさが減った、人型が増えたなど、モチーフやアレンジ方向の偏りを気にする人も多い。
どんなデザインがいたっけ…と意識して多種多様なポケモンたちのデザインに思考を巡らさせることが目的の設問である。


選択肢


選択肢に表示されていた14種のシルエットは、本編シリーズのポケモン図鑑で検索できる「かたち」という分類である。名前は便宜上こちらでつけたもので正式名称ではない。
上の図でスマホアプリ版の「PokemonHOME」で検索した結果の一例を並べてみた。

ゲームの制作チームによるデザイン上の分類ではあるが、中にはイメージと相違のあるもの(蛹であるコクーンがヘビ型になっていたり、二足歩行で尾がなければ人型に当てはめられていたり)もあり、回答者の持つ印象ともまた異なるだろう。


集計結果

半数以上の回答者が四脚か怪獣が一番よくあるデザインのパターンだと感じており、次いで有翼、ヒト型を一番だと感じている人が多い。この票の割合にに古参寄り新参寄り引退寄りの差はほぼ無い。

実際のゲームではどうだろうか。数えてみた「かたち」分類の割合が以下である。
図鑑の公式分類では187種で怪獣型が一番多いデザインのパターンであるらしい。もちろん、例えばピッピやサンドも怪獣型なのか…プクリンが人型とは思っていない…というイメージの相違もあってズレが生じているが、怪獣型と四脚が多いというのは 実態を伴った認識のようだ。

中央の円は初代の割合、外側の円は現在の割合で、フォルム違いなどは含まない計算だ。
新旧でそこまで目立つ変化は見られないといって良いだろう。ただし毎作登場数のバラバラな世代に絞るとその割合が異なり、新種が一部パターンに偏っていると言われるかもしれない。


ヒト型などの形態の定義


公式の「かたち」分類は乱暴だが一定のルールに基づいていて、イメージの個人差によるブレがない。ただし「ポケモンらしさ」を語る上では不向きな分類であると、アンケートで寄せられた意見を見ていて感じた。

ポケモンらしさって考えても何かよくわからない 新作が出るたびにデザインに新しいものを取り入れようとしてるのは感じるし24年も人気がある理由はそこなんじゃないかなと思います 否定的なことを言うなら、最終進化で人間っぽくなるのは好きじゃないですね/20代 新参寄り

コオリッポは違和感がありました。色合いや体型が現実のペンギンと近すぎるせいかなと思っています。余談ですが四足歩行のポケモンが進化すると二足歩行になるのが好きではありません。〜/30代 古参寄り

〜あとは生物的に無理があるようなデザイン、無機物モデルでありながら有機物に近すぎるようなデザインが最近は多く、第5世代以降それが顕著に感じてしまいます。やはりベースのモデルに対し多様性を模索し合体したデザインになるのは構いませんがもう少し生物であり、生態による変化であるようなところを強調してほしいです。/20代 古参寄り

所謂初代,金銀は有機的な生物をモデルにしている物が多かったのもあってまさしくモンスターという感じだったが、シリーズを重ねるごとにデザイナーのオリジナリティがより強く打ち出され、ゲーム上の役割等が意識されたデザインに変わって行ったように感じる。/10代 古参寄り




考察を進める際の基準とするため、内側の第1世代、外側の第8世代まで、ポケモンのモチーフとなる生物を推測し、ジャンルに区分したものだ。元ネタとなる生物、事象がどのくらい重複しているかを図示しようと試みた。
自然に感じられる生態、生き物らしい面といった話題が出た際の叩き台として用いる。




どの系統が増加したか密度で可視化されため、最新世代において人型が増えた、無機物モチーフが増えたと感じられる意見報告が 客観的にも確認できる。
これは増分のみを見ているのでより強調されているが、系統曼荼羅の解説、意見投稿者の思い描く人型や無機物系の定義、ガラル図鑑全体のバランスなど、次回以降より詳しく見ていきたい。

ちなみに実際の生物、動物に限って見てみても
昆虫やカニなど節足動物は100万種を超えるバリエーションがあり、全動物の85%を占める。脊椎動物でいうと魚類は3万種、四肢動物は3万種を超える程度。
そのうちざっくり両生類は7千種、爬虫類は1万種、鳥類は1万種、哺乳類5千種。
実在動物と比べてみるとポケモンは初代から哺乳類過多、カメやトカゲ、獣の二足歩行アレンジ、つまり怪獣型過多といった歪なモチーフの偏り方をしているのだ。

ポケモンがモチーフにしているのはまだまだごく一部である。犬種のコーギーもブルドッグもヨークシャーテリアも種としてはオオカミの亜種で、進化というよりはリージョンフォーム(アローラのすがたなどの亜種)並の差でしかない。そんな品種改良レベルの違いも、ワンパチとグランブルとヨーテリーのような別種としてキャラクター化されている。

初代でも土佐金、東錦など金魚(フナ)の品種の違いをトサキント、アズマオウとして落とし込んでいる。ブリーダーの育成による形質の変化を進化と呼んでいるのが「ポケモン」世界のロマンの一端でもあろう。

それ故に、身近なものを中心に架空の生き物や無生物の鉱物や文化など含め、人間から見た「好奇心」に偏った世界、そしてキャラクター群になっている。実在の生態系を再現するのが目的でもないので当然ではあるが。

ポケモン初期のコンセプトに「猫より怖くて怪獣より優しい」がある。
ここから変わらないもの、変わったものを探っていこう。
アスペクト『ポケットモンスター図鑑』


Q6 ポケモンそのものの定義

問「ポケモンにチェック!どう思う?


ここで、ポケモンシリーズを遊び、ポケモン図鑑を読み込んで設定に詳しく、その生態について考えをめぐらしたようなコアなファンのそのまた一部にしか、何を言っているのかさっぱりわからない設問 を用意した。
超ハイコンテクストな内容、マニアックな質問と言っていい。

最近のポケモンはらしくない」というゲームの外から見た視点ではなく、

作品世界の中で これらはポケモンと言えるのだろうか…というタイプの問いだ。
個人的にどう思うのか気になるから聞いた。


選択肢



主に群体系のポケモンの一部を切り取ったパターンのもの。

ガメノデス「7匹の カメテテが 1匹分の 体を つくっている。 頭が 手足に 命令する 仕組み。」

タマタマ「タマの ひとつひとつが お互いに 引きあって 回転している。 6つでないと 安定しないのだ。」

ダイノーズ「チビノーズと 呼ばれる 小さな 3つの ユニットを 磁力で 自由自在に 操っている。」

タイレーツ「ヘイチョーと 呼ばれる 1匹と ヘイと 呼ばれる 5匹で ひとつ。 ヘイチョーの 命令は 絶対。」

ミツハニー「3匹セットの ポケモン。眠るとき ミツハニーが 100匹 集まり 大きな 巣をつくる」 唯一オリジナルそのままの姿で選択肢とした。

ビビリダマは、サンムーン登場のアイテム名。ビリリダマと並べるためにカタカナ表記にしたが 正確な表記はひらがな混じりで"ビビリだま"である。

ワザの効果で出現するみがわりは、体力の1/4を消費して作られる。ビリリダマのみがわりは、ビリリダマの1/4とは言えるだろうか。


モンスターボール(アイテムボール)に擬態するビリリダマは、ドラゴンクエストシリーズで言えば宝箱に擬態するミミックである。赤緑のフィールド上ではこのように表示されていた。ちなみにLet'sGO!ピカ・ブイでは上下反転したアイテムボールという、視認しやすいグラフィックになっていた。


集計結果





正直どう思う?と聞かれても意味がわからないに違いない。
図に対して間違った表記として、あるいはそんな名前は知らないとして票を投じなかったり、理解した上で定義的にポケモンではないという判断を下したり、要因は様々だろう。

ガメノデスがカメテテの集合体であり、目玉の数は進化前のカメテテと異なるが、一部を指してカメテテと呼んでも間違いではない、という知識は恐らく大半と共有できていない。純粋に受け入れづらいデザインとして票が低いと思われる。

ちなみにモチーフは亀の手ならぬカメノテという甲殻類ミョウガガイ科でカニやエビの仲間。この世界の生き物はネタ切れに困らないほど不思議に溢れているが、人のパートナーとしてフォーカスをあてるには難易度が高いものも多いだろう。近縁の甲殻類フジツボからの着想と思われるツボツボとの、デザインアプローチの違いも昨今の変化として比較できるかもしれない。

〜私は公式が出したらそれはもうポケモンだという考えなので、デザインについてはなんとも思いません。もちろん好き嫌いはありますが「ポケモンっぽくない」と思ったことは一度もありません。UBとかウオノラゴンみたいなのもいますからね。ガメノデスも好きですよ。一番好きなのはサザンドラです。/20代 古参寄り 全作プレイ

正直なところ、ガメノデスはデザインが受け付けない。剣盾の新ポケモンも最初はうわぁと思っていたけれど、結構慣れてきたと思う。〜剣盾で良デザなのはミブリム系統とココガラ系統あたりだと思う。1番ポケモンっぽいデザインが多いシリーズは?と言われると、やはり初めてプレイしたDPになるから、剣盾で初めてポケモンをプレイした人は剣盾のポケモンが1番ポケモンらしいポケモンだと思うのかな、と考えたりもした。〜/10代 新参寄り


タマタマの一部をタマと呼称していいかは不明だ。6匹が集まる前のはぐれタマタマに関する描写が少ないためこれは正解がわからない。回答者は皆困惑したと思う。引退寄り票が多いのも特に理由がわからなくて面白い。その他より比較してポケモンらしく感じるという意思表示だろうか。

ヘイチョーも同じく一部個体をポケモンと捉えていいかわからないものだ。

今更ながら「ジガルデ・コア」も項目に入れておけば良かったと後悔している。
本編ではアイテムですらなく、パラメーターをあげる1イベントに過ぎないが、アニメのプニちゃんという個体を見ていたらポケモンとしか思えないだろう。

チビノーズはダイノーズの一部であるが、手足の代わりのようなものなのでそれだけをポケモンとするのは正確ではないだろう。図鑑を読めばどの世代にも登場するためチビの名前の認知度・ポケモンでない認識はセットではないだろうか。

ビビリだまビリリダマはさておき、マルマインの票の内訳はおもしろい。
古参寄り新参寄りより投票率が多いのは 第1世代のドット絵グラフィックへの慣れ、プレイ経験差が効いているといえよう。

ミツハニーは、珍しく途中段階のラフデザインが攻略本セットの『ポケットモンスター サン・ムーン・ウルトラサン・ウルトラムーン設定資料集 Essential』で公開されている。ラフのままだったらカメテテ・ガメノデスのような受け入れられなさだったがあったかもしれない。「様々なアイディア」が「ポケモン」へ変わる一例を見ることができるので、見つけたら是非手に入れていただきたい。これを読んだか否かは「ポケモンらしさ」の価値観に影響が出るかもしれない。



Q7 ネーミング


問「ポケモンっぽい名前  ひらがな表記にしています


ポケモンのネーミングについての議論もおこる。特にXY以後で、命名規則が5文字以内から6文字以内、記号アリという大きな変化もあったので
ポケモンでないものも含め、慣れないひらがな表記よって俯瞰してもらおうというのが狙い。

選択肢


アルカデス それが何か誰も知らないが確かにポケモン関連の言葉ではある。

イヌヌワン 本編でワンパチの鳴き声。鳴き声表記はテキストで遊ばれがち。

グラシデア シェイミのフォルムチェンジに必要な花のアイテム。

ゴースト 初代赤緑から存在する直訳ネーミングな一匹。

タブンネ 口語のようなネーミングとして、BW発売直後はクイタランと並んで議論の対象となっていた印象。

ナナカマド 人物名でフェイク項目。

バチンウニ 最新作の直球ネーミング例としてチョイス。

ファイアローやボルケニオンなど第6世代のものは、音声学上「耳で聴くと5音節に近いが文字数制限のせいでこれまで成せなかったネーミング」とも受け取れる。

ナゲツケサルは堂々の6音節に加え「投げつけ猿」という捻りを感じないネーミングに違和感を唱える声をよく目にした。オコリザルを意識したストレートさだろうか。
モウカザルもあわせて項目としてみた。

タイプ:ヌル 人造ポケモンで、6字数制限に拡張されたのを活用した記号入りネーミング。

ピィはポケモンの中でも最短1音節だ。

集計結果



今回のグラフで注意いただきたいのが23,000回答のうち20,000を超える得票がなく、
一番多いモウカザルであっても全体票は83.9%だった。

次に多いのは初代のゴーストで、古株であっても、タイプ名のゴーストタイプとも被る上、英語のGHOSTそのままというものも「ポケモンにいるのは知ってるけどこういうのばかりでは嫌だ」という感情が伝わってくる。先にタイプ名と認識してしまいポケモンのゴーストが想起されなかった可能性も高い。古参寄り票が多いのは訓練の賜物か。

6文字超えのボルケニオン、ナゲツケサル、タイプ:ヌルの引退寄り票減少は想定通り。


ナナカマドの引退寄りクラスタ誤認率はなんだろう。

〜名付けのひねり具合はシンオウ時代が個人的には最も好きで、タイプ・ヌルなどはビックリしたが人工感があって後々好きになった一方、率直な印象感の名前(ゴースト、ポリゴン、ナゲツケサル、オドリドリ、ヨワシ、アクジキング等)は少し寂しいと私感する〜/30代 引退寄り

DP御三家も最初は叩かれていた記憶があるので、これはもうずっと続くのではと思っています。そして正直、最近のポケモンはデザインよりもタイプヌルのような名前の方がポケモンらしくないなぁと感じております。/30代 引退寄り

ポケモンらしさを保つこととマンネリ化を防ぐことを両立させるのは大変だと思う。個人的には剣盾のポケモン名で「ウッウ」や「アーマーガア」等気に入らないものが多い。/10代 新参寄り


慣れ以上に ネーミングに対してダジャレ以上の根拠と語感の良さが求められていて
初代の一部らしくシンプルで直球なのがポケモンらしいわけではないという考え方が根強い。もしかしたら「受け入れられると想定しているライン」の、制作側とプレイヤーの間で食い違いが存在するかもしれない。…といっても一部かもしれないが。

ただ、センスの合う合わないはあるものの、直球系がネーミングのネタ切れを表すわけではなく、数多ある候補の中から吟味され、それ以上に似合う名前が無いと議論されつくされたものなのは疑う余地はない。
恐らくデザイン面以上に 商標などとの競合まで考えなければいけないという制約の厳しい部分だろう。


集計結果の読みでもなんでもない感想


グソクムシャなどは既存単語の「具足武者」を人気上昇中なダイオウグソクムシモチーフのポケモンに堂々付ける辺り、被っていなかったことも不思議であるし、一周回って強気すぎるキャラクター商売だ。
国内の単純な単語の組み合わせをポケモン名で占領していく狙いでもあるのだろうか。

カイロスのように 英語や日本語でなくギリシャ語だったらまんまでも許されるのか?
など 由来が身近な言葉じゃカッコ悪い、という感覚もどうなんだと思ったり…
ローカライズされた地域ごとのネーミングの反響も気になるところだ。

今度は実際にネーミングのパターンと由来となる言語を数えてみたいと思う。

ポケモンのせいでButterflyをバタフリーと読んでしまうようになったのはどうにかしてほしい。/30代 たかさおじさん


正直この程度のデータ収集ではネーミングセンスについて何かを語れるわけではなさそうだ。より専門的な研究例などを紹介したい。

音そのものに意味はあるのか──ポケモンから考える「音とことばのふしぎな世界」
https://wired.jp/2017/03/02/pokemon-sound/
慶應義塾大学の音声学観点から



たかさ考察まとめ 
https://twitter.com/i/events/1142089515634348033
自分で名前の由来とモチーフ考察もまとめているので興味があれば覗いてほしい。


次回予告


次回以降は
アンケートの意見頻出単語分析 デフォルメ"マスコット感"の話
ポケモンデザインの変遷の歴史
アニメ化、デジタル化、3D化、HD化、得て失った「らしさ」とは
・ネーミングとローカライズの話
・AIの画像解析でカラーリングの変化、線の複雑化を探り
「初代っぽさ」「デジモンっぽさ」の正体に迫る
を順不同で予定してる。気長にお待ち頂きたい。



ここまでで「ポケモンらしくない部分」を暴き叩く目的はない…とご理解頂けているとは思う。

かつて親しんでいたものが、知らない慣れない物へ変化してしまった、その原因や流れをわずかにでも理解したり、異なる考え方を摂取することで、好きに転じるまではいかなくとも、心が穏やかになれる場合もあるのではないか。

色々な意見を公平に扱いたく、否定意見も積極的に引用してきたが
受け入れられている者と受け入れられない者の対立を煽り、深めるのは目的ではないので 語気強めの意見引用は今回は控えている。甘めチョイスな点ご容赦いただきたい。

楽しめる観方の提供、視野拡張の一助を目指したのがこのアンケート企画だ。


最後に(この企画自体にとって)激甘な意見を引用して一旦区切る。


時代と共に進化しているからこそ、長く愛され残っている作品だと思います。大人の方々は、最近のアニメシリーズやゲームそのものに対して、ポケモンらしくないと仰ることが多いです。10代の私としては意識がみなさんの少しでも変わればいいなと願っています。なので、このようなアンケートを作ってくださり感謝してます。集計結果が楽しみです。/10代 新参寄り


私は比較的「最近ポケモンっぽくないな」と思う側なのですが、冷静に考えると赤緑の頃からデザイン自体に統一性はなかった(可愛い・カッコいいものからヘンテコデザインまで)のではないかということ、どちらかというと、描かれ方が今風になっていったことに違和感を感じているのかも…ということを改めて感じました。とても面白いテストでした。/20代 引退寄り


新しいポケモンが出る度に「ポケモンっぽくない」等といった意見が出るのが当たり前になっていますね~。正直、ふしぎなふしぎな生き物に「ぽさ」を求めるのは人間のエゴでは!?って思ってしまいます。(自分の中で。) 猫や犬みたいなポケモンもいれば、ゴミやポットみたいな無機物が命を得たポケモンもいる。ヒト型のポケモンもいるので、未来には全くヒトと変わらない見た目のポケモンも出てくるかもしれないですね。ポケモンっぽさについて色々と考えさせられるアンケートでした。ありがとうございました!/20代 古参寄り



ポケモンは初代アニメ~ダイパアニメ&ゲームはダイパ→プラチナ→リーフグリーンの順でやっていました。ドットの画面が好きで、3Dのトレーナーのグラフィックの違和感が受け入れられず、3D移行と共に買うのをやめました。

しかし、ポケモンGOリリースで再度興味を持ち、(ポケモン主体の3Dだったので、違和感があまりなかった)久しぶりに興味を持ち始めました。最近思いきってシールドをプレイしましたが、大好きなポケモン&知らないポケモンが多くてわくわくしました!あっという間に殿堂入りしてしまい、グラフィックもシナリオもクオリティがすごく高かったです。ゲンガーとシルヴァディが相棒です。タイプ:ヌルの設定もすごく好きになりました。
唯一、ウルトラビースト(ポケモン?)が違和感あるなと未だに感じています。クリーチャーとか、神話生物みたいな容姿(細長い手足?)がポケモンらしく無いかも…?感情が伝わりづらいポケモンは、ポケモンらしくないのかも?と思いました。ここまで読んでくださりありがとうございました!/20代 引退寄り 剣盾復帰


私は初代〜金銀までプレイしたが、それらの作品は開発初期段階ゆえか、ポケモンの名付けが率直(コラッタ、ゴースト等)&ポケモンのデザインが素朴で野生味(三白眼や鳥脚や肉球のリアルさなど)があった。〜中略〜開発側も、年々ターゲット層を定めねばならない都合があるはずだし、何をもって「モンスター」と定義するかは歴史と共に変わるゆえ、何が正しくて間違っていると私は決めつけたくはない。でもやはり、幼少の頃によく触れた世代のポケモンのいわゆる「思い出補正」なのか、第五世代以降のポケモンデザインに少し違和感を抱いてしまうのも事実。いま私はポケモンGOをプレイしており、ちょうど第五世代のポケモンリリース中なのだが、なんだかんだ結局はどんなポケモンも「ポケモン」なのだと、1匹1匹と真剣に向き合う日々を送っている。/30代 引退寄り



私は初めてプレイしたのがダイヤモンドだったので、ブラック・ホワイトのポケモンにすごく違和感を感じました。それこそポケモンらしくないと思いました。しかし、その後に何かの記事で、製作者が意図的に世代毎にデザインを変えているということを目にしました。それからは少しフィルターかけて見ていた、ブラック・ホワイト以降のポケモンのデザインも自然に受け入れらるようになりました。これからも製作者の方々には従来のポケモンに捉われずにポケモンの幅を広げていって欲しいです。/20代 新参寄り



〜usum公式全国図鑑本のポケモンデザインの話を読んだ時に、ぽい・ぽくないの基準が自分の中で少し変わった様に思いました。sns等の各人のポケモンへの「ぽい・ぽくない」の反応に対して、共感や反発で自分の「ぽい・ぽくない」が変わることもあり、制作側の意図を語ったものに触れたかどうか、普段どのようなコミュニティに居るか等も影響するのかもと思いました。ポケモンデザインへの意見というより、アンケートの感想になってしまいましたが、アンケート、とても楽しかったです。/20代 古参寄り 全作プレイ



ーウルトラビーストといい、「ポケモン」は完全新作のたびに、新しい定義を設け、ポケモンの生態の不思議さを広げています。
杉森 それは目指しているところです。プレイヤーの方々に「イメージ通りだ」と言われたら、それは失敗だ、と思うんですよね。議論になるくらいじゃないと、本当に新しいとは言えないですし、すぐに忘れられてしまう、と思うんです。
/『ポケットモンスター サン・ムーン・ウルトラサン・ウルトラムーン 設定資料集 Essential』より

デザイナー側に想定されている議論…思う存分進めていきましょう。
長文ここまで読んで下さりありがとうございました。

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