2018年10月30日火曜日

アローラたかさ図鑑 p4-5解説 ねずみ

アローラたかさ図鑑 p4-5解説
(QRコードにミスがあり、本書の6-7pから飛んできた方はこちらへお願いします。)

最初に登場するのはポケモンを代表するといって過言でないピカチュウ、そしてその姿を真似たサンムーン登場のミミッキュ。双方「たかさ」の世界を紹介するのに相応しい題材でもある。

まず、ピカチュウ たかさ0.4mは、二足で立った時の脚から頭頂までを測った高さで、耳の長さは含めない。ピカチュウは四足歩行で移動や攻撃をする時もあるが、測るのは立った時の姿勢。このように「たかさ」には『どこまでを測るかの計測範囲』『計測時の姿勢』といった条件があるようだ。これはゲーム原作本編を隅々までプレイし、図鑑を完成させたとしても得られない情報で、攻略本でも教えてくれない。たかさくらべ機能などを見て判断するほか無い。実のところ、ピカチュウのたかさが耳を含めない事実でさえ、サンムーンで初めて確証を得たのである(アニメ設定画などは外部の解釈なので二次ソースなので除外)。ピカチュウのたかさについて考えただけでも、単純に公式イラストの上下幅にたかさの数値を当てはめればよいものではないと、ご理解いただけただろうか。

一方、ミミッキュ たかさ0.2mが、ピカチュウと体のサイズも似通っているにも関わらず数値が小さいのは「本体の高さ」を測っているためである。ミミッキュについては公式ページの記載が詳しい(ポケモン図鑑以上に設定描写が細かい)が、ピカチュウの皮をかぶった正体不明の妖精または霊的存在である。「本体」と呼ぶ下半身側に隠れた中身のサイズが0.2mであり、ピカチュウの顔をした「ばけのかわ」の頭の部分までを測るとおよそ倍の0.4m、すなわち真似ている対象であるピカチュウとたかさが揃うデザインになっている。逆説的にピカチュウのたかさがはっきりと頭頂までであることが判明したのは、ミミッキュの登場によるところが大きい。(公式による等身大商品紹介記事)
ちなみにピカチュウのふりをしている状態は「ばけたすがた」と呼ばれ、戦闘中に攻撃を受けて首が折れた状態(「ばけのかわ」がはがれたと表現される)は「ばれたすがた」と呼ばれる。ばれたすがた及びぬしポケモンとしての特殊な個体は16Pの方に掲載した。ミミッキュ専用Zワザ「ぽかぼかフレンドタイム」発動時は「本体」ではなく「ばけのかわ」が肥大化しているとみられる。
肝心の本体については謎が多いが、アニメでの描写が非常に秀逸であったので、未視聴の方は、以下の2本をぜひご覧頂きたい。

アニメ ポケットモンスター サン&ムーン  アマゾン・プライムhttps://www.amazon.co.jp/dp/B01MYNOFB6/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_7rliCb5XMEDH2
38. ミミッキュのばけのかわ!
76. スーパー決戦!ピカチュウVSミミッキュ!!


では続いて、ピカチュウの進化系列はどうだろう。
進化前のピチュー たかさ0.3m、こちらもピカチュウ同様頭頂までの計測と思われる。
現在多くのポケモンのたかさ計測の根拠とできる最も信頼できるソース(情報源)は、ゲーム原作本編「オメガルビー/アルファサファイア(以降ORAS)」のポケモン図鑑で閲覧できる 「おおきさくらべ」機能である。第六世代と呼んでいる3DS用ソフト搭載の3Dモデルのデフォルトサイズは戦闘画面では小さい画面の中での見栄え重視で揃えられているため、たかさの比率は考えられていないが、図鑑の「おおきさくらべ」で主人公(約1.5m)のシルエットの前を通過するポケモンたちの3Dモデルは、大半がたかさの設定に合わせてリサイズされている。これをぜんこく図鑑No.721までのポケモンの、ゲームフリークが開発したゲーム本編におけるたかさの一次ソースとして活用していく。加えてNo.493までのポケモンに関しては「ダイヤモンド/パール(以降DP)」の図鑑のおおきさ比べも合わせて確認していく。こちらはドット絵グラフィックを配置したのみ(独特のポーズをとっていたりパースがかかっている)であるため、正確なサイズ比率を割り出すのは難しいが、たかさの解釈としてたてた仮説に対して補強として使っていく。
実際にORASたかさくらべのキャプチャ映像にグリッド(たかさの明確なポケモンをもとに間隔を決定)をひいた上で確認するとピチューの耳含めて測れば明らかに0.3mより大きくなることがわかる。
さらに上図のように比較すると、ピチュー、ピカチュウ、ライチュウのサイズ比は、DPからORASまで大きく変わっていないことがわかるだろう。サンムーン以降に急にピカチュウがミミッキュの設定にあわせて頭頂まで計測に解釈を変更してというわけではないことも証明される。
ライチュウは踵を上げ気味のポーズがイラストでも多いが、3D化したグラフィックでは基本姿勢はぺたっと脚を地面につけたものらしい。そのためDPと比較すると背の高さは縮んだように見えるが、姿勢変化によるものだけでグラフィックとしての面積比に変化はない。…しかしそうすると、ライチュウ 0.8mのたかさが耳まで含めた計測ということになってしまう。ピカチュウ、ピチューと耳を含めなかったのに急になぜ計測基準が変わったのだろう。これは早くも4種目にして仮説になかなか自信がもてない案件である。
そこで、たかさ図鑑制作中に発売された本編原作「Let'sGO!ピカチュウ/Let'sGO!イーブイ(以降ピカブイ)」の2人プレイ連れ歩きを用いたたかさ比べを早速検証に取り入れた。No.151までのポケモンのフレッシュなたかさソースであるが、全てが信頼できると確定したわけでもないため、あくまで仮説の補強として用いていく。
上図中央は同じたかさ0.8mのヒトデマン(計測箇所が明らかな幾何学ボディ)と比較すると、やはり最新作まで耳まで含めた全高サイズがライチュウのたかさとされていることがわかる。ピカチュウも他の0.4mサイズとの比較で頭頂まで計測で描かれていることを確認され、ピカブイのグラフィックのたかさにおける信頼度とライチュウの耳まで計測の確実度は高まっただろう。
進化前後で計測基準が変動する例は今後ライチュウだけでなく度々登場する。理由はゲームフリークだけが知っているのだろうが、自分は「頭をなでたりした際や自分の意志で角度が変わり得るピカチュウの耳に対し、ライチュウの耳は自在に動かかすことができないので固定されたパーツとしてたかさ計測に含める」のではないか、とイメージした。

アローラたかさ図鑑ではもちろんリージョンフォーム=アローラのすがたもとりあげる。
たかさ0.7m ライチュウ(アローラのすがた)も、耳まで含めた計測だろう。前世代のORASおおきさくらべには載っていないがピカブイにて比較できる。0.8mの通常ライチュウと比較して、たかさの数字のとおり体格はより小柄になっている。サーフボードにしている自身の尻尾は計測に含めない。

ちなみにポケモンには雌雄にすがたの差があるものがおり、ピカチュウ ライチュウは尻尾の形状に違いがある。いずれもたかさの計測に影響はない。アローラライチュウには雌雄差はない。ORASではおきがえピカチュウ、サンムーンではサトシキャップのピカチュウなども登場するが、服飾の差はたかさの話から逸れるため、この図鑑では割愛する。

インドゾウ
By Yathin S Krishnappa - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link
ここで、このページで嫌でも目に入る異物、巨大なインドぞうに触れよう。
ライチュウの図鑑説明文「電撃は 10万ボルトに 達することもあり ヘタに触ると インド象でも 気絶する」(赤、緑、ファイアレッド、サン共通 漢字表記はサンが初出)に登場する、このゲームの世界観上では(今となっては)謎の生き物である。ポケモンのたかさの概念と別の、実在動物の大きさを示す「体長」の実例として「インドゾウ」と比較させた。多くの図鑑などでは体長5.5m〜6.5mを大きさと記載しているが、象の体長は鼻先からお尻までを計測した長さなので「高さ」ではない。体高(肩高)は2.5〜3.4mであり、ポケモンでいう「たかさ」としてはそちらの数値が近い。図ではたかさ2.7m程度の♂を載せた。
「体長」は多くは頭胴長を示し、動物の体のボリュームを比較するには適切な測り方であるが、実際にその動物と対峙した際のおおきさのイメージが湧きづらい。そういう意味では、地面からの高さを基本としたポケモンの「たかさ」はそちらに比べればイメージしやすい指標と言えなくもないだろう。これは古くはゴジラやウルトラマンに登場する「怪獣」の図鑑における「身長」表記に由来し、キャラクターの成り立ちとしてその流れを汲むポケモンもそれに倣っていると言える。また、ライチュウやゴースの図鑑文章に登場するインドぞうも、怪獣のもつ圧倒的パワーを伝えるために「インドゾウを○頭持ち上げる」などと表記していたかつての怪獣図鑑の文脈を踏襲している。子どもたちが動物園で目にすることのできる最大の陸上動物であるインドゾウが、想像上の巨大な生き物の説明として欠かせなかったのだろう。以上の理由から、当たかさ図鑑でもインドぞうとのたかさ比較は外せないと考えた。是非、ライチュウがこの巨体を2秒で気絶させる場面を想像してほしい。
ちなみに象でも、より大きなアフリカゾウでない理由としては「飼育・繁殖が難しい」「個体を保護する観点から現地アフリカからの輸出が制限されている」ので、日本国内の動物園で目に触れられる機会が少ないためだろう。そのような、日本のこどもの文化事情と密着した「インドぞう」の響きは味わい深い。

続いて、毎作登場するでんきぶくろをもつ仲間たちのたかさも比較できるよう並べてみた。エモンガ 0.4m 踵から耳まで、デデンネ 0.2m 耳まで、トゲデマル0.3m 丸い背中まで。前者2種はORASたかさ比べをソースとし、アローラの新種であるトゲデマルはこれまでの計測基準からの推測である。いずれも尻尾が頭より大きくあがっていてもたかさの計測には含めないとするのが自然だろう。アローラ図鑑には登場しないが、せっかくなのでプラスル、マイナン、パチリスのシルエットもたかさを合わせて掲載している。これらについてはまた機会があれば触れたい。


トゲデマルについては特殊な個体「ぬしポケモン」についても触れている。当図鑑ではぬしポケモンの上にヌシールマークをつけて区別した。これらはアローラ地方の風習「島巡り」の試練における、旅する少年少女の障壁として地元のキャプテンたちに育てられた個体である。「たかさ」はあくまでポケモンの種としての標準値なので、捕まえたポケモンたち1匹1匹には当然個体差があり、その描写は本編シリーズでも一部のポケモンに確認されてきた。「PokemonGO」で捕獲した個体ごとのサイズ差やXL,XSサイズの存在、それを引き継いだピカブイでの個体差の概念も記憶に新しい。その最大値を凌駕するサイズとしてアローラ地方各地のパワースポットに注ぐオーラを浴びせて育てたと言われている。オーラの元に関しては56P参照
ただし、ぬしポケモンのたかさはゲーム内ではグラフィックのサイズ差以外に描写されておらず、ネット上の攻略サイトやwikiなどに記載されたものはお互いにデータをどこかから転載し合っただけのものとなっているようである。現時点で公式に明言された一次ソースが得られていないため、ぬしトゲデマルのたかさはそれらを参考にした上「推定0.6m」と表記する。



見開き右側の5Pは、ねずみポケモンで統一されている。
実は初代の時点でピカチュウ、コラッタ、サンド及びその進化系含めた6種は、同じ分類ねずみポケモンである。この分類が意味するものが何か正確にわかっていないが(おそらく従来の怪獣における二つ名を踏襲したもの)、たかさ比較のページ構成でも並べてみた。サンムーン開発者も狙ったか否か、リージョンフォームがねずみポケモンに固まっている。
最新作のピカブイでの比較を見てみよう。



ラッタは四足歩行時の
耳までで0.3mとみられる。これはアローラのすがたにおいても同様で、体のサイズにほぼ変化はない。後者は耳の形状に変化があるがギザギザは含めないと考えるのがいいだろう。

ラッタは二足歩行がデフォルトの姿勢となり、その状態で頭頂までで0.7mと計測する。アローラのすがたでもたかさは変わらないが横にサイズが肥えている。
コラッタ、ラッタの通常種は雌雄によってヒゲの長さが異なるが、各アローラ種には雌雄差が見られない。これはライチュウや進化系のラッタでも同じである。
アローララッタのぬし個体は倍のサイズ、推定1.4mである。


サンドは耳までで0.6mアローラのすがたは耳が小さくなったが分厚くなった頭頂までで0.6mと結果的に同じたかさになっている。後者は丸く膨れているが、顔などを見れば素体の大きさは共通なのがわかるだろう。
'19/04/18訂正 アローラサンドのたかさは正しくは0.7m、分厚くなった頭部までの計測でした。通常サンドの方は頭頂までの計測で0.6mということになります。訂正した図は後日公開します。




サンドパン1.0m、アローラのすがた1.2m、共に最も高いトゲまでを測るため、大きく育った氷のトゲをもつ後者のたかさが大きい。こちらも顔などの素体の大きさは共通だ。アローラ種は氷のトゲの重みの分、顔や体の重心が通常種より低く沈んでいるようだ。

人とポケモンの比較としてナリヤ・オーキド博士も配置しておいた。身長はおおよそ1.7m程度と想定している。以降もページの余裕があれば比較としてアローラの人間キャラクターを配置している。



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