2025年2月22日土曜日

キュレム!真実と理想の"たかさ"

どうも 日々ポケモンの高さを測っているおじさんです。
個人的な趣味としてポケモンのわかりやすいサイズ対比図を描いています。

イッシュ地方の作図を進めていたところ、"キュレムの高さ"の測り方を特定するのに難儀したため備忘録を残します。


キュレム通常フォルムの高さは3.0m

結論として、レシラム・ゼクロム・キュレムを上の図のように自分は解釈した。
関連する他のポケモンは角など縦の高さを測っているのに対し、中央のキュレムだけ3.0mに満たないように見えないだろう。
その理由をこれから解説したい。

前提として


近年の原作ゲーム(本編ゲーム)は3Dモデルを用いたグラフィックでポケモンたちが描画されている。だが、高さの数値どおりの正しい縮尺で並べられていない事がある。



例えばホエルオー14.5mとバチュル0.1mを正しい縮尺で並べると、一方が小さすぎて視認しづらい、もしくは大きすぎて画面に収まらないのがひとつの理由として想像できる。

体格差を忠実にしようとするあまりゲームが見辛く遊びづらくなるのは本末転倒だ。
高さの数値が大きい伝説のポケモンが「本来より小さく表示されている」のは仕方がない面があるだろう。


"真実のたかさ"はどこで調べればいいのか


ポケモン図鑑に「おおきさくらべ」機能がある作品も存在する。戦闘画面などでは表現しきれない"実際の体格差"が描写される唯一の場と言って良い。
最新のものに『ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール(以下BDSP)』があるが、キュレムたちは連れていけず載っていない。

最後に確認できた本編作品は『オメガルビー・アルファサファイア(以下ORAS)』で主人公の身長との対比が確認できる。高さがわかりやすいようにグリッドをひいた動画をアップしている。
こちらを見る限り、キュレムは背中の翼のような突起の高い方までを測って3.0mと判断できる。

また、『Pokémon HOME』にも大きさ比べが存在し、自分が4年前に画面キャプチャしたものによると同様に背中の突起までで3.0mとしているようだが……

2025年現在HOMEを開いたところキュレムが縮んでいる?!
後に述べるがVer.3以降にいくつかのポケモンで表示サイズの修正が入ったようである。
『ORAS』の描写含めて今まで提示され信じていたものは誤りだったのだろうか?

『Pokémon HOME』の高さ比較は残念ながら"公式イラスト"を再現した静止画でパースが統一されていないため詳細な縮尺の参考にはできない。(参考: たかさとカメラの話 )
だが新たに監修が行われた以上、「キュレムの高さは背中の突起まで測るわけではない」という観点から再調査が必要だろう。


"理想のたかさ"を描く!


キュレムの各フォルムの素体部分はサイズも共通である方がデザインとしても合理的だろう。

まずは他のポケモンと合体した状態、ブラックキュレムとホワイトキュレムのデザインを見ていく。
これらもどこからどこまでを高さとして測っているのか長年ハッキリしていなかったが、自分の中で決着をつけるいい機会だ。

まず、ブラックキュレムの猫背を矯正する。
『Pokémon HOME』のモデル表示よりキャプチャ
戦闘時のポーズや"公式イラスト"が前傾姿勢であるポケモンには、姿勢をまっすぐ直した状態で身長を測るケースがある。ゾロアークや極端な例では寝そべっているケッキングなど。

ホワイト3.6m(角先の毛束まで) ブラック3.3m(頭部角まで)という設定通りの体格差が再現された。このように脚の太ももや胸の位置、首の長さが共通サイズなのはデザイン上必須項目なのではないだろうか。

そうすると、ブラックキュレムとゼクロム2.9m(角まで)の共通の特徴である尻尾の発電器官のサイズが揃う。
正確には猫背気味であるゼクロムの尾が同じになる縮尺で2.9mになるように姿勢を矯正し、逆算によって作画した。

ホワイトキュレムとレシラムも同様ではあるが、白組は元から姿勢が良いので基本ポーズをそのまま高さの設定通り描き起こした。尾の燃焼器官のリングもほぼ同サイズに揃っている。
毛のなびき具合次第じゃんという気もするが、そういうポケモンが他にもほんとにたくさんいる。

描き方の加減次第な部分も4体の共通パーツのサイズが揃うことで強固な根拠をもった解釈となるだろう。今までもやもやしていた合体キュレムの高さの謎が解け、非常に晴れやかな気分である。


キュレムの高さの謎

そうして導き出された「キュレムの素体のサイズ」から逆算した通常フォルムのキュレムはこうなる。脚のサイズ、胴体のボリューム、首の長さも、ブラックとホワイトと共通サイズだ。
これは確かに小さい。『Pokémon HOME』のキュレムが小さく修正されたのも頷けるロジックである。

ではロジックを完成させるための最後の1ピース、通常キュレムはどこを測っているのか?
このサイズ解釈のキュレムを真横から見た場合、右図のようになる。
小さくなったとはいえ、全長は4mほどもある巨体には変わりない。どうやら3.0mという図鑑記載上の高さは全長ではないらしい。

本来、生物の大きさを示す"体長"は鼻先から尻までを測る事が多い。とはいえそのような高さの測り方はポケモンでは例がほとんどない。長さを測るタイプの種でデザインとして尾がついている場合尾は含まれるだろう。

ではキュレムも極端な猫背であると仮定して、立ち上がった姿勢を考えてみよう。
キュレムの攻撃モーションを観察するとここまでは上体をもち上げれることがわかる。
この姿勢……どこかで見たことがある?

そう『ブラック2・ホワイト2』でキュレムが「吸収合体」を行うシーンである。

ゲーチスによって「いでんしのくさび」が使用されると、通常キュレムの背中の突起の氷が砕け散り、中から2対の左右対称な器官が露出する。頭部の黄色い角が起き上がるなど通常キュレムとは異なる様相を見せる。

この器官から放つ光線がレシラムあるいはゼクロムを捕縛し、自身に吸収してしまう。その一連のシーンの間、キュレムはこの立ち上がった姿勢を維持しているのである。

メインのグラフィックがドット絵なNintendoDS時代でありながら、キュレムたちは3Dグラフィックで描画され迫力あるシーンとなっていた。合体前後の3Dモデルが当時作られている以上、素体キュレムのサイズが共通という前提も持ち合わせていた可能性はある。

この状態のキュレムを「いでんしのくさび使用時の姿」として"合体前キュレム本来の高さ"と解釈する。図鑑の説明文に「 じぶんの からだを こおらせてしまっている。(ホワイト)」とあるように、背中の吸収器官が凍りつき、普段は本来の姿勢を維持できていないというわけだ。
そんなんわかるかよ……そんな複雑なわけがない……しかし一度このロジックを知ったあとに以前信じられていたキュレムのサイズを改めて見ると、
古い高さ解釈の通常キュレムと合体形態の比較

古い解釈との脚部の比較

通常キュレムの方が顔や脚がデカすぎて、今までの解釈にはもう戻れない。
進化ならまだしも、フォルムチェンジで「合体するとき骨格レベルで縮むし合体解除すると膨らむ」というのは実際気持ち悪い気がする。


立体ポケモン図鑑という1/40Scale統一のガチャポンフィギュアを集めていたが、このキュレムも合体後に比べると顔が馬鹿でかいと気付く。今まで公式に監修された商品である以上こうなのだと受け入れてきた。与えられたものだけ享受していると気付けないものである。

自分が公式イラストの静止画を拡縮したりスクショ画像を切り貼りして並べるだけで済ませずに、
自らの手で高さ比較図を描き続けているのはこういった気付きがあるからである。

描くという行為には"観察"が伴う。例えAIで出力したクオリティの高く見える絵も使用者の観察眼が不足していたら指の数や骨格のおかしさ、椅子の脚と床接地の破綻を見逃すかもしれない。

ゲームクリエイターが意図する"真実のたかさ"とプレイヤーの受け取る"理想のたかさ"が、いつの日か重なると信じて今日もたかさを測り、比較図を描き続けるのである。

以前ネクロズマの合体のロジックも深追いしていたが そちらは"考えすぎ"の類だったらしいが…。


HOMEの修正の方が間違いじゃないの?


キュレムが誤って縮められたとは一概にも言えない。



なぜなら、『Pokémon HOME』のVer.1以降Ver.3.2.2以前、追加された新ポケモンには多数のずさんなサイズ表示が見受けられた(画像左のオリジンフォルム)が、画像右のように修正された。


テラパゴスのステラフォルムとテラスタルフォルムで共通部分(本体)のサイズが異なるなど明らかなミスが、今回恐らく同じタイミングで正しいものに修正されている。

Xで触れたがエンニュート、オタチ、キュレムなどのポケモンも含めて、改めて表示サイズに関する監修が徹底されたのだと考える。

他の変更点で気になる箇所が多数あるが、それはまた別の機会に。


追記:25/02/23

通常キュレムがもし尻尾までの全長を測って3mだった場合の比較図
ちっちゃいね

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