2018年12月14日金曜日

アローラたかさ図鑑 p54-55解説 日食 月食

P54


ネクロズマ 2.4m 脚から後頭部最高点までを計測。ポケモンガオーレやゲームフリークの描いたイメージイラストより。
SMではアローラの地下で眠っていたウルトラビーストの一種、USUMでは異世界からやってくる光の略奪者。過去の時代に現れた際にカプたちと古代の王によって撃退されたが、その際にソルガレオ/ルナアーラを喰らい取り込んだ姿は、たそがれのたてがみ、あかつきのつばさとよばれる。その胴のパーツは、ドラゴンの頭をひっくり返したような形をしており、USUM発売前から真の姿がドラゴンであることが考察されていた。

ソルガレオを取り込んだ通称日食ネクロズマは、ソルガレオの肉体そのままのサイズで維持しつつ、ネクロズマを構成するパーツを分離合体させている。設定資料集によると一番高く伸びた頭部のアンテナパーツは含めず、背中に取り付けられた腕のデフォルト位置までを計測してたかさ3.8mとしているらしい。釈然としない計測基準だが、ソルガレオとのサイズ差を考えるとこの解釈が最良だろう。合体の際、黒ネクロズマの各パーツのサイズは巨大化・変形しており、必ずしも同じサイズの共通パーツにはなっていない。以前、日食月食のパーツのサイズから逆算して予想した黒ネクロズマの大きさが上図下段中央のものだが、胴体部分のみで2.4mとする少々苦しい解釈になる。アローラ図鑑では「足なし」と分類されているのもその解釈の根拠か?と思われたが、実際のところは黒・日食・月食はネクロズマの本来の姿の手足と異なるパーツ配置になっている故に「足なし」とされていたのかもしれない。日食ネクロズマは本来の姿で目にあたる場所に本来の脚がぶっ刺さっている状態なのがシュールである。

P55
ルナアーラを取り込んだ通称月食ネクロズマも、ルナアーラ部分は共通のおおきさで、尾に取り付けられたトゲパーツの分だけ伸びて全長4.2mとなっている。頭部の三角錐はルナアーラ頭部の耳(角?)の内に収まるサイズだ。P52〜のソルガレオ・ルナアーラとP54〜日食ネクロズマ・月食ネクロズマは共通部分の位置を合わせているので是非ページをパラパラとめくりながら差分を比較してみてほしい。

ネクロズマの設定上のモチーフは占星術での「ドラゴンヘッド」「ドラゴンテール」と思われる。それぞれ太陽と月の軌道の交差点上にある実在しない概念上の惑星で、月食日食が起きるポイントにもなっている。このドラゴンヘッドの「ドラゴン」の起源はインド神話の魔族ラーフのよう。四本の腕と尾をもつところが次ページのウルトラネクロズマのモチーフとして取り入れられているかもしれない。神話上ではラーフは首を切り落とされ、その原因となった太陽と月を追いかけ回し続けており、日食や月食の日はラーフに喰われたせいだとされていた。

ソルガレオとルナアーラも、実際は太陽と月という恒星と衛星で釣り合わない天体のように感じるところもあるが、地球から見た「みための大きさ」が一緒だという奇跡的な条件で、皆既日食のような天体現象が起こるのである。文化としてこれらを同格に見なしたりする"概念上の天体"の感覚は、ドラゴンヘッドのそれに近いかもしれない。太陽と月の存在、そしてそれが喰われるという現象や物語は人間にとって、いつの時代も世界共通のセンス・オブ・ワンダーの原点であり、ポケモンの伝説のモチーフとしてもうってつけだ。

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