アローラ!お久しぶりです。ずいぶん時間があいてしまいましたが、
ポケモン20thを祝いつくす動画 じめんタイプの解説です。
じめんタイプの動画のコンセプトは、企画当初(2015年春ごろ)は決まらず悩ましかったのですが、大地を疾走する映像のイメージはぼんやりとありました。
じめんポケモンには、サイホーンやドンファン、カバルドンなど、巨体をもつ哺乳類をモチーフとしたものが多く(動物園の土の匂いを思い浮かべます)、予てからそれらの特徴として図鑑説明文で「やたらと大型車を破壊」したがるなと感じていました。そこで、実際に動画の中で車を走らせて、それを破壊する描写を見せる映像、レース動画にしようと決めました。
車がレースコースを走る映像にするには、3DCGが手っ取り早いですが、じめんポケモンのイラストを募集するのに全て3DCGのデータを条件にするのは集めるのも作るのも厳しいです。ポケモンたちは2Dイラストで募集しつつ、イラストと親和性のある擬似的な3D空間のコースを走る映像を目指しました。そこで参考にしたのがSEGAのアーケードゲーム、アウトラン(ダウンロード版で3DSでも遊べます)。こちらは今年30周年なんですね。スピードなどは本家のような爽快感はありませんが、あくまで主役であるコース上のポケモンの視認性との兼ね合いでこのようにまとめました。
<すいません、アップした画像が消えたまま復帰できない状態です>
画像左は動画中の1シーンを別角度から見た画像です。道路も地面も繰り返しのパターンを並べており、ポケモンたちや草むらなどもポリゴンではなく透明の板に透過する画像があてているだけです。祝いつくす動画の作業はAfterEffectsというアニメ撮影(アニメーターが描いたアニメのコマを繋いで映像にする作業)でよく使われるPCソフトを用いています。
コースを曲線で描くと道路のタイルが敷かれ、それにカメラが沿って動くようなエクスプレッション(プログラム)を書いて動かしています。映像というよりむしろFlashなどで簡易的なゲームを作ってるようなイメージですね。これを全て手作業でやるととてつもなく時間がかかる上に、修正しようとすると1からやり直しになりかねないため、ある程度自動化させる必要がありました。これにより車のスピード、ポケモンたちが登場して動くタイミング、極力気持ち悪くならないようなカメラワークの制御、が可能になりました。結果、書き出すのに非常に計算時間のかかる内容になってしまい、企画進行の遅れの最大の要因でした。20周年当日に全て間に合わなかったのはほぼこのせい…当時は大変おまたせしてしまって申し訳ないです。それでもこのコンセプトでやりたかったんですね。
じめんタイプのBGMは生㌔P自らアレンジさせて頂きました。動画制作の性質上、なかなか決まった尺や展開を決められず、柔軟に組み替えながら曲も合わせていく必要があったため、自分で映像と音楽の編集を同時進行で調整していきました。原曲の111番道路はダンジョン曲の中でも特に大好きなBGMで、自分でいじりたいという気持ちもありましたが。レーシング風のアレンジも ぶっちゃけアウトランの曲(特にSPLASH WAVE)を意識しています。
主人公機はフェラーリっぽいなにか(エンブレムは、ほのおタイプのギャロップを流用)。運転手(センリ)と車体イラストは生㌔が用意しました。微妙にアングルが違う車体を用意して、カーブを曲がる際に画像が差し替わるように組んでいます。助手席のハルカの表情違いや風ではためくアニメーションは、ココアさんが描いてくださいました。
スタート地点はホウエン地方カイナシティ近くの湾から続く干潟、というイメージ。
みず・じめんタイプ組が登場します。通り過ぎる車を目で追うウパー ヌオーがかわいいです。立っているポーズと座っているポーズでそれぞれ2種存在、ぐれみさん担当です。
ドジョッチが出てきてコンニチワ、地震をおこすナマズンの担当は SHALさん。
毒手をペロリとするガマゲロゲ えりねーさん、西と東の海のトリトドンは とーきさん担当。
トラップポケモンとして道路上で待ち受けるマッギョは すずねこさん担当。
道路標識もポケモンネタが仕込まれています。通過する車に驚くゴマゾウは Bo9さん担当。
サンド、サンドパンは丸くなってころがってくる動きも。担当は月居りなさん。
ドダイトスは図鑑の説明文「大昔の人々は 大地の下には巨大なドダイトスがいると空想していた。」を体現するように、巨大な存在として登場させています。ドダイトスの背中の上でひとつの生態系が成り立っているほどで、小さな鳥ポケモンを纏わせてスケール感も出しています。担当は歩行差分含め ありがひとし?さん…一体何者なんでしょう。あくまで一ポケモンファンである参加者様です。
モグリューの他、ヒポポタス♂♀、フカマルも担当されているのは育屋さん。モブのトラック(ゴーリキ引越社やBWに登場したトラック) もお願いしました。途中、クチバシティの港から、サントアンヌ号を出向させずになみのりすると確認できる「謎のトラック」も登場させましたが、この動画ではちょっと伝わりづらいですね。運転手を倒すとタダ乗りできるミアレタクシーも。
東北支援のPokemon with youバンやピカチュウカーなどのモブカーは あぜみち とんびさんに描いていただきました。
背景が砂漠エリアに突入します。BGMの原曲でもあるホウエン地方111番道路を意識したフィールドで、背景に えんとつやまを意識した火山も入れてあります。
地中から飛び出すメグロコは Furo-Yuutoさん担当。ツチニンは こげつさん担当。アニメーションの使い所を変えて、何度か登場します。
カバルドンも図鑑に「じどうしゃを ペシャンコに つぶしてしまう はかいりょくだ」と車の破壊者である記述があるので、車を噛み砕いてもらいました。XY以降丸裸で登場しますが、BWのドット絵のように砂に半身埋れている姿が似合うと思い、良之さんに砂中から現れる様子を描いて頂きました。ここから特性"すなおこし"で動画中も砂嵐が舞います。
道路標識の102・追い越し禁止・ガブリアス注意 はTwitterで提供頂いたネタです。
ガバイトは砂中から飛び出しきりさいてきます。はりぽさん担当。
ナックラーはありじこくの中から。 ハリセンさん
3D空間で堀り跡を残しながら進むディグダ&ダグトリオは、単純なようでなかなか大変。デザインはシンプルなのにいざ素材を描いてもらうとなると仕様の伝達が複雑でした。地面掘跡は生㌔がエフェクト制作、本体部分担当は、かなでさん。
ポケモンコロシアムの主人公とヒロイン、レオ&ミレイはカコノコさんのアイディアで登場できました。特徴的なサイドバイクと砂漠がよく似合います。
ワルビルは砂から飛び出るところを、ワルビアルもまた自動車のボディをひきちぎる破壊者な一面を。ひらやまさん担当。
ビブラーバ フライゴンは音波を出している様子を。ドラゴンタイプではなくじめんタイプに登場させたのは、タマゴグループがドラゴンじゃなく虫というのもありますが、"さばくのせいれい"の二つ名を持つフライゴンはこちらの方が相応しかろうという判断です。精霊と蜻蛉をかけてるのがクールですね。えのんさん担当。
ランドロス(れいじゅうフォルム) は空を駆ける所を。まにょんさん担当。
通り過ぎるジガルデ10%フォルムはtduさん担当。
グライガーは滑空する姿と、顔面に張り付いて襲う習性をKinoさんに描いて頂きました。グライガーはかわいいですが、とびさそりポケモンという創作生物は恐ろしいですね。
グライオンも上空で滑空しています。こちらは かきのはさん担当。
サイホーン担当のフェルトさんは、じめんタイプのタイトルロゴのデザインも担当でもあります。ロゴの装飾であったサイホーンに加筆して登場させました。
地中に突入し、BGMもDPのちかつうろアレンジになります。元々111番道路のアレンジでもあるので自然に繋がります。制作中、ここからはドリル地帯と呼んでいました。
まずドリル形態を持つドリュウズ、メリノさん担当。モグラ→土竜→ドリュウ→ドリルというネーミングは巧いですね。
元祖・分類"ドリルポケモン"であるニドクイン、ニドキングは ポリさん担当。どくタイプのイメージも強いですが、ドリル地帯で出したかったのでここで満を持して登場。一瞬の出番でも目にとまるようなキメの動きを目指して描いて頂きました。
ドリル繋がりでゲームフリーク開発の『スクリューブレイカー 轟振どりるれろ』くるりとラセンダーをゲスト出演。ディレクターは杉森建さんで、やはりポケモン初期のドリルまみれな原因はこの方ですよね。キャラデザは吉田宏信さん(デオキシスやダークライなど)。搭乗ロボがガンメンに似ていますがグレンラガンより前の作品ですよ。生㌔担当。
グラードンは地底に眠る姿、特にエメラルドバージョンのえんとつやま内部で眠っている設定を思い浮かべてカコノコさんに描いて頂きました。こちらもまた、巨大感を強調した演出を目指しています。 トンネルを抜けると、ライバル車が割り込んできます。申し訳程度のレース要素。運転手はマグマ団リーダーマツブサでGBA〜DS時代を意識した戦闘カットインを入れました。
マツブサカットインと、バクーダ メガバクーダは、はるはるさん担当。
メガシンカカットインも車上ハルカも同じくココアさん担当。ラグラージ・メガラグラージもみずタイプのミズゴロウたちに引き続いて描いて頂きました。
移動中の車上の技の応酬をやったあと、メガラグラージの設定画に載っている能力、腕のジェット水流で加速してレースに勝ちます。
ラストは"おわりのだいち"を背景に立ちはだかるゲンシグラードンで〆。RIi2さんに圧倒的な姿を描いて頂きました。パロディ元のアウトランよろしく時速表示やコース選択、冒頭のラジオによる選曲なども入れてみたかったですがそこまでは余裕なく。実装できませんでしたがコース上に落ちているジガルデ・セルを拾って集めていく…なんて構想もありました。
以上です。動画制作工程同様、解説のアプローチにも手間取って、サンムーン発売後にもつれこんでしまいました。次回は引き続きこおりタイプの解説を予定しています。
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