2018年12月14日金曜日

アローラたかさ図鑑 p56-57解説 Zパワーの源

P56




ウルトラネクロズマ 7.5m 素直に脚の爪先から頭頂突起までと解釈。
1/40Scaleだと原稿サイズでギリギリ入る大きさになり、恐らく上下の両端は製本処理で断ち切られているだろう。見開き両ページを跨ぐ大きな翼がたかさの数字を超えた翼開長になっていて大迫力。ただし光で構成された体は不定形で常にぶよぶよ変形するので、当図鑑で描かれたプロポーションはあくまで参考程度にして頂きたい。白背景で光り輝く肉体を表現するのは難しかったが、それなりに発光感は出せたと思う。


この姿は、前ページの日食/月食ネクロズマに「ウルトラネクロZ」というアイテムをもたせた状態で変身可能となる。ウルトラネクロズマへの変身を「ウルトラバースト」と呼ぶ。開発コンセプトは『メガシンカ+Zワザ』であり、当時の本編の戦闘システムで考えうる最強の組み合わせを唯一実現できる伝説のポケモン(通常のメガシンカポケモンはすでにメガストーンをもたせているのでZクリスタルを持たせてZワザを発動できない)である。シナリオ中のオーラをまとった鬼畜なイベント戦はこの先も語り継がれていくだろう。


サイズ比較として光を失っている状態の黒ネクロズマも改めて配置した。肉体のパーツ構成要素としては手足胸のものは巨大化したり大きく変形しているが、ドラゴンのような頭部パーツ(黒ネクロズマの胴体部分にあたる)は変身後も近いサイズのまま使われている。とはいえ直接の変身前は日食/月食ネクロズマなので、頭部パーツは縮んでいると言ったほうが正確かもしれない。


本来「ウルトラメガロポリス」という異世界の街で人々に「かがやきさま」と崇められ、絶えぬ光エネルギーを分け与えていた存在だったが、住人の強欲と驕りによって傷つけられ光を失ったのが黒い姿のネクロズマらしい。ネーミングが「ネクロ(死)+プリズマ(イタリア語で虹)」なのは、失った光を求め、喰らい続ける存在と化してから名付けられたと受け取るのが自然だろう(なぜ異世界の事情が反映された名前がサンムーンでついていたのかは謎だが)。
ネクロズマの設定資料でも、デザイン時点で黒ネクロズマの体のパーツ構成はオリジナルのドラゴンの姿になることも想定されていたようだ。ただしウルトラネクロズマに関しては「ネクロズマ自身も経験したことのない、新たな姿。(USUM公式サイト)」であり、オリジナルの姿に近づけるためにソルガレオ/ルナアーラのエネルギーを借りて肉体を補完した仮の状態というのがウルトラネクロズマなのだろう。ウルトラネクロズマのパーツ配置は、黒ネクロズマの設定資料に描かれたドラゴンとはパーツの配置が異なる。かつての「かがやきさま」は後者のドラゴンを完成させた姿をしていたと思われる。ゼクロム、レシラム、キュレムが分離する前のイッシュドラゴン完全体同様、存在が示唆されるのみでその姿は想像にまかされている。

実はSM、USUMのシナリオ冒頭で入手するZリング及びZパワーリングの原石である「かがやくいし」やZクリスタルが、かつての「かがやきさま」の体の一部だったと明かされる。ソルガレオ/ルナアーラの開けたウルトラホールを通じてアローラ地方に降り注いでいた「かがやきさま」の光こそZオーラであり、Zリングを用いてそれを操る(トレーナーの全力に応える形で環境に存在するオーラを纏わせる?)ことができるようだ。
そのため、ネクロズマが本来のような輝きを取り戻しウルトラバーストをするためには、かつての己の肉体であったZパワーリングを所持したポケモントレーナーの存在が不可欠だったというわけだ。ウルトラネクロズマとなった状態で放つZワザ「天焦がす滅亡の光」では、他のゼンリョクポーズでは見られない、主人公が力尽き膝をつく様子が描写される。

P57
「かがやくいし」は古代アローラ王朝時代、ウルトラホールから現れたソルガレオ・ルナアーラによって島の守り神たちに「力」として授けられたものである。
カプ・コケコ 1.8m、カプ・テテフ 1.2m、カプ・ブルル 1.8m、カプ・レヒレ 1.3m、それぞれ下端から上端までを測っているようだ。それぞれ殻を閉じると1m程度の大きさでそろうサイズ感になっている。

時には人に恵みや癒やしを与え、時には命を奪う、自然そのものを司る存在として崇められ、アローラの文化の中心に置かれてきたようだ。
ウルトラホールから現れる化物(ウルトラビースト)たちと拮抗する力をもち、異世界の外来種たちによってアローラの生態系が破壊されずに保たれてきたのは、守護者である彼らのおかげなのだろう。ソルガレオ或いはルナアーラは、カプたちと衝突した際、互角に渡り合ったことにより彼らを認め、かがやくいしを授けたとされる。見返りとして、彼らの幼体である「星の子(コスモッグ)」を見守る役目を請負い、古代アローラの王たちと共にソルガレオ/ルナアーラと関係を築いてきた。時が流れ、「星の子 」の秘密を知る王族が絶えてしまった現代アローラで、イレギュラーな形で現れた新たなコスモッグの個体(ほしぐもちゃん)を守るため、カプ・コケコは気まぐれか否か、引っ越してきたばかりの主人公に「かがやくいし」を与えた…というのがSM、USUMの冒険の始まりである。ほしぐもちゃんをオニスズメから守ったというのが決め手だろうか。

カプたち専用の「カプZ」を用いたZワザ「ガーディアン・デ・アローラ」発動時の巨人の姿も掲載した。殻を閉じたカプたちの体が顔となり、大地から現れた首のない巨体と合体する。地面から覗く足元のデザインも詳細は不明で正しいたかさは計測できないが、合体したカプのサイズから、起立した状態で8mは超えると想定される。ウルトラネクロズマに匹敵するサイズであり、かつ肉体をZオーラ≒光で補完する姿に共通点を感じる。元となるワザ「しぜんのいかり」もそうだが、相手のHPに大ダメージを与えることも可能であると同時に相手を倒し切ることはないその効果は、まるで自然災害のようだ。

カプたちはかつて、それぞれの島の古代の王たちに味方し、島同士の争いなどに手を貸していたが、「かがやくいし」が存在して以降のZパワーによる闘いは島の自然をも荒らす結果となってしまったため、次第に王たちに味方することが無くなったとされる。カプたちは血筋で選ばれる王たちではなく、自ら認めた者、すなわち後のしまキング・しまクイーンにかがやくいしを授けるようになった。恐らく形骸化した王朝は次第に廃れて現代ではその血筋は幼いアセロラを残すのみとなってしまう。

次ページは異世界からやってくるウルトラビーストたちのたかさを解説。

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