ポケモン20thを祝いつくす動画ドラゴンタイプの解説です。
ニコニコで公開した「その4」を再投稿したので、その修正内容も合わせて説明します。
弱点をつけるタイプの順で公開するというのを決めた時点で、ノーマルスタートかドラゴンスタートしか選択肢が有りませんでした。長年ポケモンをやっていると、2つのタイプが並んだ時にそれらの相性がパっと浮かんできてしまいます。どうせ次回を待つのであれば次が有利なタイプである方がポジティブという単純な理由からこの順番にしています。スタートを飾るのはやはりノーマルであるのが相応しく、伝説のポケモンの多くが持つドラゴンタイプがラストが良いと判断しました。思えば、RSからXYまでパッケージを飾る伝説ポケモンたちに対する"第三のポケモン"というポジションは全てドラゴンタイプでした(レックウザ、ギラティナ、キュレム、ジガルデ…ジガルデだけパッケージになれなかった…)。
そこでポケモンシリーズ、特にGBA以降のストーリーに込められた「伝説」にクローズアップしてまとめました。
タイトルロゴはファンタジージャンルをイメージしてサトウマミさんにお願いしました。
BGMはソニーさん。1発目のノーマルタイプ、真ん中のみずタイプ、そして最後もソニーさんアレンジとなりました。結果的にですが。テンガン山→りゅうのあな→古代の城→ジガルデ戦と動画構成にあわせてつないだ見事なアレンジです。
アルセウスが宇宙を創造したというシンオウ神話をひとつの"イコン"として表現しました。特性「マルチタイプ」はタイプ別動画の企画のラストとしても相応しいものです。一応ドラゴンタイプの動画なのでタイトルロゴが出た所でドラゴンタイプのカラーリングに変化させています。アルセウスのタイプを変化させる"プレート"、その裏に書かれた神話の一端がアンノーン文字でイコンの各所に書きこまれています。
アルセウスによって生み出されたドラゴンたちが続きます。時間の神ディアルガ 空間の神パルキア、そして消された神話・反物質の王ギラティナ(オリジンフォルム)、背景にはレジたちや同じくアルセウスが生んだとするエムリットたちも。
壮大なシンオウ神話のイコンを描いて下さったのは ノーマルタイプ2のアルセウスに引き続き かんなさんです。ギラティナのアナザーフォルムの方はゴーストタイプ登場時に描いて頂いています。あくタイプのフーパが召喚したポケモンの中にもシルエットとしてこちらのディアルガたちのイラストを使っていますね。
「ディアルガの ときのほうこう… パルキアの あくうせつだん… 大昔の人にとっては 本当に時間と空間のシンボルに見えたでしょうし 心震わされたと思うの。その想いが こめられた壁画は多くの人に何かを伝え いつしか神話を生み出した…」(プラチナ)シンオウ神話を調査する考古学者シロナとガブリアス、カンナギ遺跡のイメージです。神話の内容をそのまま真に受けるでもなく、いかにして人々に神話として定着したかを考察する姿勢が、ポケモンの世界の厚みをもたせていますね。担当はどろどろさん。修正版でガブの振り向くタイミングを調整しています。より顔が見える秒数を増やした感じです。
続々とチャンピオンや四天王、ジムリーダーなど 手強いトレーナーが登場します。
四天王から後のチャンピオン、ワタルとカイリューは、やはり「はかいこうせん」。初期の杉森建さんのイラストにあった触覚から光線を出す表現なのがマニアック。担当はサトウマミさん。曲に合わせて光線のタメのタイミングを修正しています。
フスベジムリーダーイブキとハクリュー。ワタルの従兄弟にあたります。動画のサムネイルにも使わせていただきました。担当は かふんさん。
ミニリュウは、図鑑説明の「ながらく まぼろしと されていたが さいきん つりあげられて その そんざいが かくにんされた。」(ピカチュウ版)の様子を描いて頂きました。また初期の攻略本によると『この発見から伝説のポケモンは「全て実在する」と考える人が多くなり、ポケモン探検ブームがおこった』とのことで、伝説のドラゴンと人々の関係におけるターニングポイントとなる1種です。夏菜さん担当。
ミニリュウを釣り上げた様子を伝えるニュース記事も作っていただいたのですが、編集上のつながりが難しく、修正版では申し訳ないですがカットさせて頂きました。ごめんなさい。
大空を飛ぶことを夢見るタツベイ、進化の刻を待つコモルーは管狐さん担当。進化するとついに翼を得るというストーリーを感じる系列です。
進化後のボーマンダはホウエンリーグ四天王ゲンジと。青波燦さん担当。
コウモリの音波+ワイバーンがモチーフのオンバーンはカロスリーグ四天王のドラセナと。担当は ゆねいずさん。
ソウリュウシティの市長とジムリーダーを兼任するシャガと クリムガン。背中の翼のようなものは飛ぶためではなく日光にあてて体温調節に使うとか。ぶれいぶさん担当。
シャガのもとで修行し、ホワイトではジムリーダー、BW2ではチャンピオンとなるアイリスは相棒のキバゴと仲睦まじい感じを。共に成長し、オノノクスへ。りおっとさん担当。
オノンドは野生の貴重種というイメージで描いていただきました。 担当は実は狼男さん。
ナメクジのようなヌメラは、ナメクジやカタツムリのような姿をもつフランスの伝承の怪物がモチーフ。フランスをモデルにしたカロス地方ならではのドラゴンです。XYシナリオのようにサナと共に旅をしてヌメイル、ヌメルゴンへ進化を遂げます。図鑑の記述「大好きな トレーナーに 抱き着いて 粘液で ヌルヌルにしてしまう。」を忠実に再現していただきました。Illustratorで作画されたのは310さん。
ぐるぐると螺旋状に伸びる白黒の木…なんだこれ と思った人も多いかもしれません。
BWに登場した謎の場所"ハイリンク"で育つハイルツリーと呼ばれる木でした。ハイリンクからは誰かの世界へ通じる橋がかかっています…
ハイルツリー及び、レシラムとゼクロムの争いは、かんなさん担当。各パーツを動かせるように分け、燃え盛るレシラムの毛やゼクロムの尾のタービンの発光などたくさん差分を描いて頂きました。イッシュ建国神話における双子の王の真実と理想を巡る争いをイメージしています。最後は同時に放つと威力が変わるクロスフレイム・クロスサンダーの撃ち合いです。
ホワイト2より、ゲーチスにより吸収合体させられたホワイトキュレムと対峙する、主人公♀とN。横スクロールで視差をつけ、立体感をつけています。トネコさん担当。
ブラック2における似て非なる異なるシチュエーション、ゲーチスの吸収合体させたブラックキュレムと対峙する、主人公♂とN、みちこさん担当。
ハイルツリー、ハイリンクでつながる誰かの世界、白と黒に別れたふたつのドラゴン、そして合体。ポケモンが2つのソフトに分かれて通信する特徴が色濃く反映されたギミックでした。 (入るツリーに出るパワーというネーミング…)
ここから歴代主人公たちを総登場させるのですが、赤・緑にはじまりX・Yまで2つの異なるタイトルを同時に出す意味をこのシーンに込めようとしていました。修正版ではそれをわかりやすくしようと大幅変更を加えています。(左図修正前)
B2・W2のクライマックスから続き、BW主人公。男の子を選ぶと女の子がトウコ、逆だと男の子がトウヤという名前で登場しますね。まずプレイヤーの男女の選択で異なる可能性の世界となります。トウヤ ミックーさん、トウコ 新猫さん担当。
XYでは性別に加え肌の色、服装に至るまで変更可能です。男の子を選ぶとおとなりさんがセレナという女の子、女の子を選ぶとおとなりさんがカルムという男の子として登場し、ライバルとなります。プレイヤーの選択可能な世界が何パターンにも増えていきます。担当は、セレナ 綾川あらさん XY主人公♂ ヲコワさん XY主人公♀ マツコさん カルム 夢乃途さん。
背景には再びハイルツリー、そしてシンオウ神話のイコン「時間」と「空間」が現れます。
DP主人公♂(コウキ)コウランさん、Pt主人公♀ヒカリ カノンさん担当。
DPライバル memiさん、BW2ライバル 戸川めいさん、金銀ライバル そきりゅさん担当。
初めて女の子を選択できるようになったクリスタルの主人公 chiedaさん担当。
ここでジョウト地方のライバルがリメイクであるHGSSのデザインへ変わります。 月虹さん担当。HGSS主人公♀(コトネ) Laiさん担当。ついにリメイク前後のHGSS主人公♂(ヒビキ)と金銀主人公が並んでしまいました。それぞれ 夢津さん、cirnoさん担当。
初代ライバル トネコさん、初代主人公 サトウマミさん、HGSSグリーン のーごくさん、FRLG主人公♂(HGSSレッド) おるらいさん、FRLG主人公♀ えりねーさん担当。
時間と空間がうねりだして混乱してきますね。
最後にルビーサファイアの主人公が登場、背景のロゴがオメガルビー・アルファサファイア入れ替わりだします。似て非なる異なる世界は、交わることはありませんが、つねに隣り合わせ、出たり入ったりして世界はつながる。通信ケーブルやwifi、インターネットを通して時間と空間を超えてポケモンたちが移動するように…
RS主人公♀(ハルカ) きくよしさん、エメラルド主人公♂(ユウキ) マルコさん担当。
そこへ伸びる腕が何かを握りつぶします。(修正版に追加)
エピソードデルタより、ヒガナとメガボーマンダ。担当は管狐さん。
握りつぶしたのは、ORASのホウエン地方へ衝突する巨大隕石をRSの世界のホウエン地方へ隕石を移転させて助かるための次元移転装置。好意的に捉えると、リメイク作によって旧RSを無かったことにしてはいけない!という例え話でしょうか。ヒガナの行動や似て非なる異なる世界(並行世界)という発言に関しては、以前じっくり考察したので、是非読んで下さい。ORASのシナリオ考察 5 エピソードデルタとは
そしてORASにてメガシンカの起源とされるメガレックウザ。神々しいデザインと得た能力の妙には脱帽せざるを得ません。 長い尾から上へ登っていくと、雲を抜け、オゾン層へ到達、宇宙を背にメガレックウザの顔を拝むことができます。雲足しは修正版より。ひこうタイプのレックウザに引き続き、夜森ひおさん担当。
修正版にて、歴代主人公~メガレックウザまで先程のシナリオ考察で読み取った世界観をぎゅっと凝縮した感じに近づけたと思います。
ORASシナリオ中、えんとつ山で手に入れた隕石は、クリア後のエピソードデルタで輝きをまし、メガストーンの文様が浮かび上がります。それを彷彿させるように修正版でメガシンカのマークを追加。
続いてガブリアス ジュカインがメガシンカします。 修正版では表示エラー回避に加えメガシンカのエフェクトとして割れる球を追加しています。それぞれ どろどろさん、しぃまさん担当。次のカットの後ろ姿も担当していただいています。
メガシンカポケモンに囲まれているのは、アニメ特別編、最強メガシンカより、メガリザードンXとアラン。奥のメガデンリュウとメガチルタリスもあわせて海野大輔さん担当。修正版にて、カメラワークのみ調整しています。
ORASのおおぞらをとぶでのラティオスのメガシンカシーン。以前は通常状態の視認できる時間が短すぎたため修正版で調整しています。体色が似ていますがメガラティアス(ハルカ搭乗?)も合流。担当は ねぽじさん。
ラストも修正版で大きく変更を加えました。 ジガルデ・コア(プニちゃん)が呼び、密かに他のタイプの動画に忍ばせていたジガルデ・セルが集結します。見やすく、かつ生態系を監視しているセル、コアの視点風のフィルターをかけています。青いコアのジガルデも現れ、10%、50%と大きくなっていきます。そこまで効果的にはできませんでしたが、20の動画を見ながらジガルデを100%完成させるという構想でした。ジガルデ一連は tduさん担当。
修正前はベタ色な、カロスエンブレム(XYエンディングで博士からもらえるペンダント)を模した図形を重ねていましたが、ジガルデ自身の発光により青白赤に染まった土煙のニュアンスに変更しました。ジガルデ・パーフェクトフォルムの胸部は展開し、胸のコアを露出させることができます。恐らく専用技コアパニッシャーを放つ際に解放するのだと思います。
胸のコアは5つあり、アニメではジガルデ・コアは赤と青の2種のみ登場しましたが、サンムーンゲーム本編で5つ入手可能なので、やはりジガルデ・コアがここに集結しているのでしょう。サンムーンでは共通グラフィックで赤1色でしたが、アニメのように実際はコアによってそれぞれ色が異なるのかもしれません。青、白、赤のコアはカロスエンブレム(フランス国旗のトリコロール)と同様の配色で、カロスの生態系を見守っているという設定と関わりが深そうに見えます。じゃぁ残りのシアンとオレンジは…サンムーンのロゴの色ですね!
ということで次回はサンムーン編の解説をします。
ちなみに… ドラゴンだけではなく他のタイプもいくつか修正しています。
ノーマル2のレジギガスの登場前にカットインを追加。他のレジたちと揃えて顔の点をなぞるアニメーションを用意しました。これらはORASのエンカウント時に出るものです。
いわタイプも大幅にエフェクトなど追加されていますが、こちらは既にyoutube版で公開されているものから変更はありません。その他、地面タイプなどの細かいエラーを修正したりしています。
再投稿するほどの原因は1コマのエラーのみで、参加したイラスト担当者さんが見せたくないものが見えてしまっていたためです。エラーに関しては将来的に更新されれば急ぎである必要はないと相談の上、ついでに諸々作り込めなかった部分を修正してからの再投稿とさせていただきました。
「その4」でも皆さんにたくさんコメント、再生、宣伝、して頂いた後ですが どうか了承ください。よろしくお願いします。